イケアはなぜ、ニトリに勝てないのか 店舗を増やせず、新宿・原宿店も閉店した残念な事情(4/4 ページ)

» 2026年02月19日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]
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今後は地方・郊外で閉店ラッシュも?

 ニトリと比較するとIKEAは2人での組み立てを推奨する家具が多く、構造も比較的複雑だ。ベッドのような大型家具では組み立てに2時間以上を要するものもある。そして店内の様子も、ニトリは「どこに何があるか」分かりやすいのに対し、IKEAは迷路のような構造である。

 両社とも低価格を訴求しており、IKEAは北欧家具の色合いやデザインが特徴的だが、利便性には劣る。店舗は「テーマパーク化」しており、小物以外何も買わずに出る客も多い。

 欧州では家具チェーン「JYSK」の存在感が大きい。JYSKは50カ国で3600店舗以上を展開しており、小型店やテナント内出店も多く、ニトリのような存在に近い。だが、品質や品ぞろえの面でJYSKを評価しない消費者も多く、IKEAが彼らの受け皿になっているようだ。こうした違いが日欧の業績の明暗を分けたと考えられる。

デンマーク発祥の「JYSK」(出所:同社公式Webサイト)

 国内の家具市場は巣ごもり需要で伸びたものの、コロナ禍以降は物価高で買い控えが起き、厳しい状況にある。市場が縮小する局面で前出の通りIKEAは赤字が続いている。土地を売却すれば一時的な収入を確保できるだけに、業績悪化が続く場合は地方・郊外の大型店でも閉店が続くかもしれない。

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著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


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