もう「全部読む」必要はない! 「NotebookLM」が変える資料読み込みの常識(3/3 ページ)

» 2026年02月25日 07時00分 公開
[冨田到ITmedia]
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自分専用のポッドキャストの生成方法

 しかし、NotebookLMの本当に優れた機能は、画面右上の「Studio」というエリアにあります。ここではさまざまな追加機能が利用できます。執筆時点では次の機能が利用可能です。

  • ポッドキャスト形式で資料を解説してくれる「音声解説」
  • 音声とスライドのプレゼン形式で資料を解説してくれる「動画解説」
  • 資料のキーワードを分類して、キーワードごとの資料解説をしてくれる「マインドマップ」
  • 指定のスタイルで資料をドキュメントにまとめる「レポート」
  • 暗記に適した「空欄のあるテキスト」と「答え」を対にしたカードで作る「フラッシュカード」
  • 資料の文章から4択問題を作ってくれる「テスト」

 これらをアップロードした資料から作成できます。リサーチ作業において、特に私がお勧めしたい機能は「音声解説」と「マインドマップ」の生成です。

photo08 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.297より

 音声解説機能を使う時のコツは、生成前に、生成ボタンの右上のペンボタンをクリックして、音声解説の方向性を選択したり、カスタマイズ用のプロンプトを入力したりすることです。

 何も指定しないと、AIが「詳細:2人のホストによる活発な会話で、ソース内のトピックを掘り下げて関連付けます」という方向性で作ってくれます。このデフォルト設定でも非常に良い結果を返してくれますが、より効果的なポッドキャストを生成するために、次のような詳細な指示を与えることもできます。

photo09 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.297より

 このように、

  • 焦点(消費者受容性と日本市場)
  • 対象読者(食品業界の研究者)
  • トーン(親しみやすく)
  • 必須要素(統計と引用)
  • 長さ(8分)

 と、条件を明確にすることで、より目的に合った音声コンテンツが生成されます。

 なお、音声を作る際は「生成」をクリックします。

 音声生成の仕組みとしては、ここで入力されたキーワードをベースに対象の資料を検索して、関連するテキストを抽出、読み上げるテキストを組み立てて、最終的に音声にしてくれるようになっています。そのため、入力した単語やキーワード、指示が生成される音声に直結するということです。

 これは、コンテキスト長(生成AIが一度に扱える文章量)の限界を補う技術であるRAGがNotebookLM上で実装されているということです。

 資料を全て生成AIのコンテキストに入れるとコンテキスト長の限界でエラーになるため、資料から関連するデータを一部ずつ取ってきているのです。そのため、1回の指示で全文をポッドキャストにするといったことはNotebookLMの仕様上、難しいので、聞きたい箇所や全体の要点を聞くための指示などを入れてみてください。

 逆に分割すればいろいろな箇所の音声化も可能なので、資料の一定範囲ごとにキーワードを入れて音声化の指示をすれば、何回かの生成に分けて音声化するということも可能でしょう。

 このように、長文を扱っている生成AIサービスを発見した際は、どのようにRAGの仕組みが使われているかを観察することでより理解が得られ、うまく扱えるようになるでしょう。

 プロンプトを入力して「生成」ボタンを押すと、AIが2人のホスト役になって、あなたがアップロードした資料について対話形式ポッドキャストを数分かけて自動生成してくれます。画面右下から生成された音声の再生が可能です。

 例えば、今回の「植物由来代替肉の消費者受容」についての論文の場合、次のような内容になります。

photo10 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.300より

 このポッドキャストを通勤や家事など軽めのタスク中に聞くことで、概要を効率的に理解できます。

重要ポイントをチェックできる「マインドマップ」

 そして、資料をさらに深く理解したい場合は「マインドマップ機能」を活用します。マインドマップでは、アップロードされた資料の主要なポイントがキーワードベースに視覚的に整理されて表示されます。プラントベース代替肉の論文で使うと「消費者行動の現状」「受容に影響を与える要因」といったテーマが枝分かれして表示されます。

 マインドマップは、右のStudioから「マインドマップ」のボタンを押すことで作成が可能です。

 表示するためには、右下のマインドマップのアイコンをクリックします。

photo11 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.302より

 重要だと思ったポイントが書いてあるテキストをクリックすれば、チャットで詳しくピンポイントで解説してくれるので、300ページほどの論文でも効率的に要点を把握できるのです。

 このような使い方をすることで、NotebookLMは単なる「要約ツール」を超えた、あなた専用の学習アシスタントになります。特に、長期的な研究や調査プロジェクトにおいて、複数の資料を体系的に理解する際の「取っ掛かり」として極めて有効です。

 また、2025年11月にはGoogleの画像生成モデルもアップデートされ、スライド生成の機能も追加されました。テキストも図解も読みやすく整理されるため、ぜひ長文の理解や知識の視覚化とプレゼンでの活用も試してみて下さい。

著者プロフィール:冨田到(とみた・いたる)

早稲田大学社会科学部卒業。スリーエムジャパン株式会社にて営業、株式会社ゼロワンブースターにて新規事業開発支援を担当。スタートアップ数社経験後、2024年にデスクリサーチに特化した生成AIエージェントを提供する株式会社Deskrexを創業。AIアプリケーションの提供・受託開発や、生成AIを活用した調査代行や研修を提供し、企業の知的生産の業務時間の圧縮とスキルアップを支援している。


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