このようなヒット商品の誕生には、同社が東京本部に加えてニューヨークにも世界本部(グローバルヘッドクオーター)を置き、商品開発やマーケティングを強化してきたことが大きく寄与しています。
現地の顧客特性を把握しながら、地域性を取り入れた店舗づくりを行うこと。それに加えて、丁寧な接客体制やクレンリネスといった日本のサービス力を浸透させていったことが、海外での人気につながりました。
英国や米国のユニクロで買い物をすると、日本よりもやや高く感じます。しかし、現地の物価と比較すると比較的買いやすい価格であり、日常生活に必要な服が手頃な価格で購入できることも、海外でユニクロが支持されている理由でしょう。
ユニクロの認知度は確実に上がってきたとはいえ、欧州でのシェアはまだ0.5%と、売り上げはまだ低いのが現状です。
ただ、親会社のファーストリテイリングが日本市場で10%以上のシェアを獲得していることを見ると、海外市場はまだまだ成長余地があると言えます。実際ユニクロは、将来的に北米だけで売り上げ1兆円を達成することも可能だと述べています。
今後、ユニクロが目標とする売り上げ10兆円実現のためには、海外市場のさらなる開拓と拡大が必要となります。そのためには、品切れや色欠けを起こさない在庫コントロールや、オンラインでのスムーズな配送・返品、世界各地の事業を牽引(けんいん)するリーダー人材の育成などを実現すること。そして、世界各国で均一なオペレーションを構築することがカギとなるでしょう。
まずは2028年8月期に、売り上げ目標5兆円を達成できるのか。今後の動向に、引き続き注目していきたいと思います。
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。
ユニクロの「6990円」ジャケットは、どこまで通用する? 「初めての顧客訪問」「大事な契約」 専門家に聞いて分かった“意外な”事実
ユニクロのセルフレジ、なぜあれほど「快適」なのか? 「徹底的な分かりやすさ」はこう作られているCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング