デール・カーネギーの名著『人を動かす』に、こんな原則がある。
「盗人にも五分の理を認める」
どんな人にも、その人なりの理由がある。不満を言っていた社員にも、転職を考えていた社員にも、それぞれの事情があるのだ。その事情を頭ごなしに否定せず、まず認めること。これがリーダーの器というものだ。
「転職を考えていたこと自体は悪いことではない」
そう伝えるだけでも、社員の心は軽くなる。
「私も、『辞めてやる!』『辞表を持ってきます』と社長に言ったことあった」
などと、自分の失敗談も話せば、相手も親近感を覚えてくれるだろう。そして安心して目の前の仕事に集中できるようになるものだ。
ジョブハギングは、必ずしもネガティブな現象ではない。踏みとどまったことで、新たな成長が始まるケースもある。
大切なのは、消去法で残る組織ではなく、目的を持って残りたいと思える組織にすることだ。何でも言える雰囲気をつくり、成長の機会を目に見えるかたちで示す。冒頭の営業部長のように「頼りにしてるよ」と声をかけるだけでいい。目の前の社員に関心を持つこと。当たり前のことだが、それがジョブハギングしている人にも効果のある姿勢である。
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