不安は減った、挑戦しない――景気回復で日本人が失った“野心”日本生産性本部の調査

» 2026年03月02日 07時00分 公開
[サトウナナミITmedia]

 景気の先行きや企業業績への不安が後退する中、日本の働き手の間では「安定志向」が鮮明になっている。調査研究や研修、コンサルティングなどを手掛ける日本生産性本部(東京都千代田区)は、働く人の意識や働き方に関する調査を継続的に実施している。

 調査結果からは、景気や勤め先の業績への不安が和らぐ中、安定志向が一段と強まっている様子がうかがえた。

“景況感の改善”が映し出す労働市場の新局面

photo 働く人の意識や人材育成、働き方に関する継続調査を実施(提供:写真AC)

 景気について「悪い」「やや悪い」とした人は合わせて51.3%だった。これは2025年7月に実施した前回の調査結果(68.3%)から10ポイント以上減少し、2020年5月の調査開始以来、最も少なかった。

 また、今後の景気の見通しについて「悪くなる」「やや悪くなる」とした人は35.1%で、前回調査より約20ポイント減少した。

photo 今後の日本の景気見通し(出所:プレスリリース、以下同)

 自らの勤め先の業績に「全く不安は感じない」「どちらかと言えば不安は感じない」とした人は55.3%と半数を超えた。

AIは広がるが、心理的ハードルは高いまま

 職場にAIが「1年以上前から導入されている」「最近1年間に導入された」と回答した人の合計は21.5%だった。そのうち、AIを「仕事で利用している」とした人は62.3%だった。

photo AIの導入状況

 AIの導入について「職場全体の効率化につながる」(54.5%)、「斬新なアイデアやイノベーションのきっかけになる」(51.3%)といった前向きな回答はそれぞれ半数に上った。

 一方で「倫理上不適切な内容や偏見、誤りを含んだものを作り出してしまわないか不安である」(51.8%)、「AIそのものに対して、漠然とした不安がある」(51.1%)と不安や懸念を示す意見も同程度見られた。

副業も転職もしない――強まる定着志向

 兼業・副業について「行う気はない」とした人は69.2%と、調査開始以来最多となった。また、「転職をするつもりはない」とした人は66.7%と7割近くに上り、安定志向の強まりを示す結果となった。

photo 兼業・副業の実施意向

 テレワークの実施率は15.4%にとどまった。また、実施していない人のうち、制度があれば「行いたい」とした人は36.4%、「希望しない」とした人は63.5%だった。

photo テレワークの実施率

 調査は1月5〜6日に実施。20歳以上で、日本の企業・団体に雇用されている人(自営業者や家族従業者などを除く)1100人から回答を得た。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR