ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」は、広めの駐車場を備えた郊外型店舗を多く展開している。広い座席で家族や友人とわいわい食事をする──そんなシーンを想像する読者が多いのではないだろうか。
運営元のアレフ(札幌市)が今、びっくりドンキーのイメージを覆す「おひとりさま」向けの新業態「Dishers」(以下、ディッシャーズ)を都心で展開している。
ディッシャーズでは、びっくりドンキーと同じ「木皿」で、箸で食べられるハンバーグが提供される。一方、トッピングや野菜の量、ライス、ソースなどを自由にカスタマイズできるメニューや、カフェ利用を想定した軽食も用意している。
店舗運営の面ではDXにより省人化を進めている。ディッシャーズ錦糸町楽天地ビル店(東京都墨田区)では、びっくりドンキーの場合は15人のスタッフが必要とされる規模の店舗を、5人以下で運営しているというのだ。
同ブランドを立ち上げた狙いと店舗DXの取り組み、現状の手ごたえについて、ディッシャーズチーム チームリーダーの辻道拓央氏に話を聞いた。
アレフは、主力事業であるびっくりドンキーを全国に約350店舗展開している。「これまでは大規模店舗が中心であり、ビジネス街や都心部、駅前、ビル内といった40〜60坪の物件への出店が難しいという課題がありました」
そこで既存ブランドがカバーしきれなかった「都市部・小規模立地」に対応し、より幅広い層を取り込む新業態としてディッシャーズは誕生した。現在、2020年6月オープンの新宿住友ビル店(東京都新宿区)、2023年12月オープンの錦糸町楽天地ビル店の2店舗を展開している。
広い座席を設け、家族や友人との利用を想定するびっくりドンキーとは異なり、ディッシャーズが狙うのは、都心部で活動する「おひとりさま」や、仕事の合間にサクッと食事を済ませたいビジネスパーソンだ。そこで店内はカフェのような明るいデザインにし、カウンター席を充実させた。現在では利用客のうち約6〜7割を一人利用が占めている。
提供するメニューも一人客を意識した。「びっくりドンキーはグループでのシェアを前提としたメニュー構成です。ディッシャーズはびっくりドンキーの特徴でもある『ワンプレートの木皿』での提供スタイルは継承しつつ、一皿で満足できるようメニューを再構築しました。従来のハンバーグディッシュをベースに、ポテトやチキンをトッピングとして組み込むよう工夫しています」
また、多様な食事スタイルに対応できるよう、カリフラワーライスやサラダ増量などの選択肢を用意した。カフェ利用も見据え、パンケーキやレモネードといった軽食メニューを拡充。2026年4月には錦糸町楽天地ビル店において、4種のスペシャルティコーヒーを提供する「ディッシャーズ コーヒースタンド」を導入予定だ。
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