三井住友「Olive」はどこまで広がるか “ナンバーワン連合”で狙う1200万口座「ポイント経済圏」定点観測(1/3 ページ)

» 2026年03月09日 08時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

「ポイント経済圏」定点観測:

キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。

 アカウント数は700万超、新規入会者の半数が20代以下――。SMBCグループのモバイル総合金融サービス「Olive」が3周年を迎えた。若者に支持されて急成長を遂げたが、2027年度末の目標は1200万アカウント。目標を達成するために、あと500万アカウントをどう獲得するのか。

 PayPay連携、マネーフォワード搭載、SBI証券との新プラン、ヘルスケア参入という4つのアップデートを一斉に打ち出した。いずれも外部企業との協業である。各分野のナンバーワン企業と組むという当初からの路線はそのままに、その照準を若年層のポイ活から全世代の生活課題へと大きく広げた。

Oliveは何のアプリか

 Oliveは2023年3月、「1枚のカードと1つのアプリで、口座・決済・ポイント・証券・保険をまとめて使える」モバイル総合金融サービスとして登場した。メガバンク各行は近年、グループ内の銀行・カード・証券などのサービスを一つのブランドに統合する動きを進めてきたが、開始から3年で700万アカウントを集めたOliveは、その中で最も成功した事例といっていい。

Oliveを躍進させた立役者である、三井住友カード執行役員の伊藤亮佑マーケティング本部長

 世界初をうたうフレキシブルペイなど尖った機能を武器に、若年層を中心にアカウント数を伸ばしてきた。新規入会者の約半数は20代以下。ポイント高還元という明快な訴求が、資産形成に関心を持ち始めた若い世代に刺さった。

 だが700万を超え、ユーザーの顔ぶれは変わりつつある。三井住友カード執行役員の伊藤亮佑マーケティング本部長は「上の世代も含め、いろんな方に入っていただけるようになった」と話す。

 ユーザー層が広がれば、求められるものも変わる。操作が難しいという声、他行との併用を前提にしたニーズ、金融以外の生活課題など。「銀行への期待に応えるには、さらにサービスの優しさが必要だ」と伊藤本部長は話す。4年目のテーマ「お金のまわりを、やさしくする」は、こうした現場の実感から生まれた。

4年目のOliveが掲げる「おかねのまわりを、やさしくする」をテーマにした4つのアップデート。いずれも外部パートナーとの連携による施策だ(三井住友カード提供、以下同)

 ポイント還元率やカード機能の先進性を競った最初の3年間から、日々の暮らしに寄り添う金融サービスへ。Oliveは「便利でお得なカードアプリ」から「金融を軸にした生活インフラ」へと、守備範囲を広げようとしている。掲げる目標は、2027年度末のアカウント数1200万。現在の700万から、あと500万アカウントの上積みが要る。

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