企業のオフィスは、単に社員が業務をする場という役割を超え、必要な人材を採用し、そのポテンシャルを引き出すための戦略的ツールになっている。
総合エンジニアリング企業の東洋エンジニアリング(千葉市)は、2024年12月に千葉市の幕張テクニカルセンター内に本社を移転した。
新オフィスの面積は、旧オフィスの半分以下だ。
設計業務を担う同社には、長年の事業で蓄積された図面など、大量の書類が保管されていた。そこで、移転を機に徹底した書類整理とペーパーレス化を進め、紙の書類を約65%削減。限られたスペースでも働ける環境を整えた。
なぜ、ここまで大胆なペーパーレス化を実現できたのか。そして、半分以下の面積でも機能するオフィスをどのように設計したのか。
「共感・共鳴・共創する場所」をコンセプトとした新オフィスは、同社が進める事業構造の転換と、それに伴う人材戦略を体現した空間となっている。
1961年に創業した同社は長年、プラント建設における設計(Engineering)、材料や機器の調達(Procurement)、工事(Construction)を一括請負するEPC事業を主軸としてきた。
一方で、近年はエネルギー転換や技術の高度化など、事業環境が大きく変化している。カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギー分野や、新技術の活用など、従来のEPCにとどまらない領域への対応も求められるようになった。
こうした変化に対応するため、同社では多様な専門性を持つ人材の確保が重要な課題になっている。
「オフィスは、多様な人材を惹きつけ、活躍してもらうための経営ツールの一つ」
こう話すのは、移転プロジェクトを率いた総務部長兼危機管理室長の高橋憲弘さんだ。企業が成長し続けるには、従来型のEPC事業に加えて新事業への取り組みが欠かせない。そのためには、従来以上に幅広い領域のプロフェッショナルが活躍できる環境が必要になると考えた。
オフィスのコンセプトである「共感・共鳴・共創する場所」には、社員同士が知識やアイデアを共有し、新しい価値や発想が生まれる場にしたいという思いを込めた。
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