ここまで言えば、もうお気付きだろう。「過度な業績プレッシャー」で社員に限界を突破させていく「永守イズム」とは、まさしくこれだ。ニデックの企業文化はアマゾンやテスラと同じだとの指摘もあるが、それも当たり前の話で、世界で戦う巨大企業はなんだかんだと、GEのような「ストレッチ経営」を実践しているのだ。
では、世界的企業が採用している経営スタイルが、なぜニデックだけはうまく機能せず、第三者委員会からは「不正の原因」などと不名誉なレッテルを貼られたのか。ミもフタもないことを言ってしまうと、海外企業のやり方をどんなに忠実にまねしたところで、一皮むけば中身はコテコテの日本企業だからだ。
例えば、この手のストレッチ経営の「過度な業績プレッシャー」を成立させるには「高いインセンティブ」が必要不可欠だ。
高額な成果報酬というニンジンをぶら下げられているので、人は高い目標を必死に達成しようとするし、自分の能力以上の力を発揮しようとする。実際、テスラやアマゾンは一般的なエンジニアでも日本円で2000万〜3000万円、実績がある者は5000万円以上の報酬を得ている。
では、テスラやアマゾンと同じシビアな企業文化をもつニデックはどうか。日本経済新聞の株式情報によれば、平均年収は760万4284円。有価証券報告書などをもとにした「平均年収が高い同業他社」を見ると、平均年収2039万円のキーエンスはもちろん、キオクシアホールディングス(平均年収1148万円)など遠く及ばないし、TDK(平均年収830万円)、村田製作所(平均年収803万円)よりも下回っている。
厳しいことを言わせていただくと、ニデックはテスラやアマゾンと同じくらい過度のプレッシャーを社員にかけておきながら、インセンティブはそれほど与えないという「やりがい搾取型企業」だった、という見方もできてしまうのだ。
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