急増する若手のメンタル不調 不幸の連鎖を断つ「心理的安全性」の作り方労働市場の今とミライ(1/5 ページ)

» 2026年04月01日 08時00分 公開
[溝上憲文ITmedia]

 メンタルヘルス不調(以下、メンタル不調)を訴える人が増加している。厚生労働省が実施した「患者調査」によると、2002年に68万5000人だったうつ病などの気分障害の外来患者数は、2023年は156万6000人と2.3倍に増加している。

 「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」も、2002年は49万4000人だったが、2023年は117万2000人とこちらも2倍以上に増え、精神疾患患者数の約半数を占めている。

mf 精神疾患を有する外来患者数の推移(厚生労働省「患者調査」より引用)

 気分障害の外来患者数について、2002年と2023年を比較した。年代別かつ10万人当たりの外来患者数の割合は、

20代:38.0人→57.5人

30代:69.5人→70.5人

40代:62.5人→93.0人

50代:58.0人→97.5人

 と働く現役世代がいずれも増加傾向にあることが分かる。

 現役世代のメンタル不調が増加傾向にあることは、主に大企業の社員が加入する健康保険組合連合会(健保連)の調査からも分かる。2025年10月に発表された「令和5年度被保険者のメンタル系疾患の受診動向等に関する調査」によると、躁うつ病含む気分障害による外来受診の男女比は、男性が62.3%(約25万人)を占める。

 年齢別で見ると「50〜54歳」が17.2%と最も高く、次いで「45〜49歳」(15.6%)、「55〜59歳」(14.6%)、「40〜44歳」(12.4%)と、40〜50代の中高年層が約6割を占めている。神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害の外来受診でも男性(約21万人)が約6割を占め、そのうち40〜50代が5割以上となった。

mf 年齢階層別 被保険者 推計受診者数(年度平均)構成割合(「令和5年度被保険者のメンタル系疾患の受診動向等に関する調査」より引用)

 では、どのような原因でメンタル不調になるのだろうか。厚生労働省が2025年6月25日に発表した「令和6年度過労死等の労災補償状況」によると、精神障害の原因となった出来事で最も多かったのは「上司とのトラブルがあった」(953件)だった。

 以下「上司などからパワーハラスメントを受けた」(389件)、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」(358件)と続く。そのほか「同僚とのトラブルがあった」(217件)や「顧客や取引先、施設利用者などから著しい迷惑行為を受けた」(207件)といった、カスハラが原因でメンタル不調となったケースもある。

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