こうした事態を招かないために、企業もメンタルヘルス対策に注力している。健康センターによる相談窓口の設置や休職中の外部機関によるEAP(従業員支援プログラム)の実施、復職後の受け入れ体制の整備が進んでいる。
国も2015年から常時50人以上を雇用する企業に対し、ストレスチェックを義務化。50人未満については現在努力義務であるが、2025年の労働安全衛生法の改正により2028年までに義務化されることになっている。
真の対策は、メンタル不調にならないための予防と早期発見だ。例えば大手自動車メーカーは全社メンタルヘルス推進チームを設置し、メンタル施策を全従業員に周知するなど予防活動に注力している。
セルフケア用のパンフレットを全員に配布するほか、管理職用のパンフレットも用意。メンバーのサポートと生き生きした職場づくりに役立ててもらうために、メンバーに対する傾聴のポイントや職場環境改善のためのチェックリスト、ストレスモデルの基本的な考え方などを一冊にまとめている。
また、大手IT企業は人事部内の健康管理グループが中心となり、グループ企業を含む約5000人を対象に、メンタル不調の予防策・早期発見を目的とした1対1の面談を実施している。定期検診後に保健師が社員の健康状態を確認するだけではなく、家族の状況や業務の状況などについても聴き、悩み事があれば相談に乗っている。
大手食品メーカーでは、上司や同僚が仲間の変化に気付くためのポイントとして、
(1)遅刻や早退が増え、休みの連絡がない
(2)残業、休日出勤が増える
(3)業務の効率低下、ミスが目立つ
(4)報告や相談、会話が少なくなる
(5)元気がない、表情が乏しい
(6)衣服が乱れる、不潔になる
という特徴を挙げて注意を促している。
“燃え尽きる”日本の管理職 「これ以上頑張れない」をどう減らすのか
退職代行は「若者の甘え」──安易に切り捨てる企業が「非効率」に陥るワケ
「34年ぶり」の大幅賃上げが、ゆくゆくは中小企業を苦しめるカラクリ
カスハラ加害者=消費者という思い込み 企業が従業員を守るために再確認すべきことCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング