筆者は、1on1支援ツールの提供を通して、上司と部下のコミュニケーションの質を高め、エンゲージメント向上や離職防止を支援する、KAKEAIという会社の代表をしています。
支援を通じて、多くの企業や組織と向き合う中で、近年「部下は問題を挙げるだけで、その解決を上司に丸投げしており、上司は上司で、部下に課題解決を任せることを諦めている状況」がより深刻化していると感じています。
会議や1on1の場を通じて、メンバーから組織やプロジェクトの課題などが共有されているにもかかわらず、「ではどう解決していくか」という話になると、その思考と判断はマネジャーの責任に集約されていくのです。
具体的には、次のようなやり取りが日常的に現場で繰り返されています。
メンバー: 「この対応、少し気になっていて」
マネジャー: 「どのあたりが気になりますか」
メンバー: 「進め方として少し無理があるように感じています」
マネジャー: 「なるほど。では、どうすればよくなると思いますか?」
メンバー: 「……。」
ここでは、問題が指摘されています。しかしその後、現場の人間として「どういう点に無理があると感じていて」「誰がどう取り組んでいくのか」については語られないまま、会話は次の議題へと移っていきます。
現場の課題発見力は上がっている。しかし「では、どう進めるか」と問いが返された瞬間に、メンバー側の思考が止まり、話の主導権がマネジャーに引き渡されてしまうという相談を頻繁に受けます。
これはマネジャーが部下に任せないのではなく、任せられない状態が生まれているためです。特に、次のような状態が重なることで、現場が「課題発見で止まる」構造が形成されていきます。
目の前の業務を滞らせずに進めるためには、経験のあるマネジャーが引き取った方が早いという判断が積み重なることで、この構造が自然に再生産されていると捉える必要があります。
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