「しいたけはレッドオーシャンだが、きくらげならまだ余地はある。仕入れる菌床のコストを踏まえても、利幅が取れると感じました。それに、意外性のあるものに取り組みたかった」と清水氏。
すぐに通販で栽培キットを10個購入し、事務所内のシャワー室で栽培を始めた。きくらげは4時間おきの散水が必要だが、タクシー会社の事務所は24時間人が出入りする。夜勤の乗務員に依頼して夜間の管理体制を敷いた。
収穫した生きくらげを従業員に配ると好評だった。清水氏自身も乾燥品しか知らなかったため、その肉厚さと食感に驚いた。
「これは売れる」と確信し、2020年5月に清水氏は事務所の駐車場の一角に自らビニールハウスを建設。400床の栽培を始めた。
収穫後はフリマアプリで販売を試みた。出品した翌日には売れ、1週間後にその購入者から「次はいつ販売ですか?」とメッセージが届いた。
「週に1度買ってくれるお客さんが100人いれば、大きな利益にはならなくても、少しずつ事業として進めていけるのではないかと思いました」
SNSでは栽培の様子を発信し続けた。さらに周囲には収穫したきくらげを2つプレゼントし、「1つは自分用に、もう1つは友達にあげてほしい。できればSNSにも書いてくれたらありがたい」と口コミの種をまいた。
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