株式会社スタジオ02 代表取締役。横浜銀行勤務時代、全銀協へ出向した際はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。06年に支店長職をひと区切りに退社、現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーとともに情報通企業アナリストとして活動している。
不正会計疑惑を受けた第三者委員会の報告が公表されたニデック。本社・子会社を問わぬ広範囲にわたる不正の実態が明らかにされました。報告書ではその原因について、基本的には創業者で長年にわたって絶対的な権力をふるってきた永守重信氏のワンマン経営にあったと、結論付けています。
不正の手口は「棚卸資産評価損の未計上」「固定資産の減損未計上」「引当金・負債の過少計上」「売上債権の架空計上」「貸倒引当金の過少計上」など、多岐にわたっています。これらはみな永守氏の「目標必達」「赤字は悪」という基本方針の下で起きました。高い目標を背負わされた現場がその命令圧に窮して、実績偽装という不正に手を染めていったと報告されています。
さらに、本社会計部門や不正を是正すべき監査部門までが「永守氏の方針に背くような行動はできない」と、容認・後押しするような行為があったと指摘。組織ぐるみで永守イズムに扇動された姿が浮き彫りになっています。
報告書では、永守氏が直接不正を指示したという事実は認められなかったものの、これを察知しながら黙認していたことは間違いないとしています。組織に君臨する絶対的トップが部下の保身も利用して、自らの思いのままに有言・無言の圧力をかけていたということです。不正に手を染めてでも目的達成のためには手段を問わない。トップが善悪判断を軽視した専制統治を行うことで組織をガバナンス不全に陥れていた構図が見てとれるのです。
トップ主導の組織不正会計というと、2015年に発覚した東芝のケースを思い出します。同社のケースを今一度検証してみると、組織内で不正がまかり通るようになった経緯や、不正の事実が対外的に発覚することなく長年にわたっていたというガバナンス不全の様子が、あまりに酷似していることに驚かされます。
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東芝はどこでしくじったのか 上場廃止と「物言う株主」排除が意味することCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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