「強烈オーナー企業」のニデックと「サラリーマン社長」の東芝、それぞれに共通する“不祥事の病巣”とは?(3/4 ページ)

» 2026年04月23日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]

東芝とニデックの共通点とは?

 東芝の不正で驚くべきは、各事業体の経理部門も現業部門からの不正会計要請に反発することなく協力していたこと。さらに本社の財務部門までが、会社の方針であると認識して問題視せず取り扱っていたことです。

 内部けん制を働かせるべき監査部門もまた、一部不正会計の可能性について指摘はしていました。しかし、是正指導への対応がなされていない状況を黙認するなど、内部統制機能も著しく欠けた状況にあったと報告されています。すなわち、経営者主導の上位下達的な組織統制はけん制機能までも奪い去っていたわけなのです。

 報告書にみる東芝の不祥事発生状況は、今回のニデックのケースと非常に多くの共通点があります。トップの利益確保に対する意欲が異常に強く、目標達成に向けた至上命令の連鎖が組織内に生じて、不正会計処理による利益の確保がねつ造されていたこと。同じような会計不正が、組織内の全く別の部門で同時多発的に起き、さらに会計部門、監査部門までもがこれを黙認、スルーしていたことなどが挙げられます。

 不正の中身が非常に近しい両社の不祥事ですが、オーナー系と非オーナー系の違いがあることは注目に値します。

 ニデックは、創業時から永守氏の統治下にあるオーナー企業です。本体社員は元よりM&Aによってグループ社員になった者も「親会社絶対」という意識からは免れがたく、さらにカリスマ経営者である永守氏からの命令となれば、逆らうことなどできないのは当たり前とも思えます。このケースはワンマン経営者の強権統治下での不祥事です。創業者あるいは創業一族が経営する多くの企業社員は、「自社でも十分起こり得る」と受け止めるでしょう。

 しかし東芝の事例は、全く同じような不祥事発生構造が非オーナー系のサラリーマン企業でも起きています。実権者が長期にわたって君臨しているか否かに関わらず、この手の不祥事は起こり得るのです。

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