もう一つの大きなインパクトはソフトウェア産業だ。多くのSaaSはUI操作、データ入力、レポート作成、システム連携といった「人間がクリックして進める作業」を前提としている。しかしエージェントはUIを使う必要がない。
データベースやAPIを直接操作できる。レポート作成やデータ集計などは、AIエージェントが直接処理できるようになる。
SemiAnalysisは、この構造変化がMicrosoft OfficeやSalesforceなどの従来型ソフトウェアのビジネスモデルを揺るがす可能性があると指摘している。
さらにAIのコストは急速に下がっている。AIのサブスクリプションは月20〜200ドル程度。一方、米国の知識労働者の人件費は1日350〜500ドルとされる。
もしAIが業務の一部を代替できるだけでも、企業にとっては10〜30倍のROIになる。この「知能の価格崩壊」が、AIエージェント普及の最大の推進力になると見られている。
ChatGPTが登場した2023年は「AIモデルそのもの」が主役の時代だった。しかしClaude Codeが示したのは、その次のフェーズだ。AIは単なるチャットツールではなく、PCを操作するエージェントになり始めている。
もしこの流れが続けば、ソフトウェア開発だけでなく、ほぼ全ての情報労働が再設計される可能性がある。AI革命の次の主戦場は、モデルではなくエージェントになりつつある。
本記事は、エクサウィザーズが法人向けChatGPT「exaBase 生成AI」の利用者向けに提供しているAI新聞「Claude Codeが示したエージェント革命」(2026年3月11日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
湯川鶴章
AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。
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