円安やホテル価格の高騰、観光地の混雑といった理由から「日本人の旅行離れ」も指摘される中、なぜ「おひとりさまプラン」は利用者が増えているのか。星野リゾートの須永氏は「ひとり時間の価値が高まっているのではないか」と話した。
「コロナ禍以降、ひとり行動の価値観が変化し、ひとりの時間を大切にする方が増えていると思います。ひとり旅のニーズとしては、のんびり過ごしたい方もいれば、アクティブに観光したい方もいて人それぞれです。ただ、いずれにしても『他者にペースを合わせる必要がない』『デジタルデトックスができる』などは共通するメリットだと考えます」(星野リゾート 須永氏)
一方、阪急交通社の後藤氏は、理由として「旅行代金の上昇」を挙げた。「昨今の物価高や円安の影響で、ツアー料金は大幅に上がっていますが、それでも旅行意欲が強い方は一定います。ただ、友人を誘いづらくなり、代わりにひとり旅ツアーの需要が増加しているように思います」(阪急交通社 後藤氏)
観光庁の『2025年版観光白書』によれば、国内延べ旅行者数の同行者別割合は、「ひとり旅」が10.3%だった。後藤氏が話したように、友人との旅行は減少傾向だ。一方で、ひとり旅は2019年比で約1.2倍に拡大した。世界でも同様の動きがあり、世界のひとり旅市場は2026年から2033年にかけて年平均14.6%で成長すると予測されている(グローバルインフォメーション調べ)。
今後の見通しを尋ねると、両社とも「ひとり旅」向けの施策を継続していくとのこと。界では「ひとり旅でも利用しやすい温泉旅館」として、引き続き2名1室利用時と同等料金の「おひとりさま専用客室」などを提供しつつ、ひとり旅に慣れた人向けのサービスも打ち出していきたいそうだ。
阪急交通社では、今後の強化エリアとして、あまり取り上げてこなかった「南米」や「北米」を挙げた。また、東京(成田、羽田空港)と関西国際空港に加え、地方の空港発着のツアーも増やし、地方在住者でも参加しやすくなるよう取り組んでいくという。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年から約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月からは東京拠点。
関連サイトはこちら
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
「おひとりさまツアー」は割高なのに、なぜ利用者が増えているのか “自己紹介なし”の理由
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
東横インの「47都道府県バッジ」が人気 富士山は静岡か山梨か、小さな争奪戦Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング