では、具体的にどんな人が対象になるのか。以下の3つのタイプが最もリスクにさらされていると考えられる。
部署間のスケジュール調整、書類の不備チェック、データの転記――これらを主な業務とする人は、AIエージェントにその椅子を奪われる。AIは24時間365日、ノーミスでこれらの作業を完結させるからだ。
「以前はどうでしたか?」「規定ではどうなっていますか?」という問いに答えるだけの専門性は、数秒で回答を生成するAIによって価値を失う。LINEヤフーが2026年2月に人事・総務領域で本格導入したAIツールは、社内規定の照合や入社手続きの案内をAIが代行するようになった。そして月間1600時間もの業務を削減したという。もはや「人に聞く」必要がなくなったのだ。
AIによって業務の透明性が高まった。情報管理が自動化される中で、高給でありながら実務を生み出しにくい層のコストパフォーマンスが、経営層に目をつけられている。つまり間接部門の部門長などは、よほど大きな付加価値を生み出さない限り、削減対象と見られる可能性が高いということだ。
日本企業においてもこの流れは急速に進むのではないか。円安の影響や人件費の高騰、深刻な労働力不足というトリプルパンチの中で、間接業務に人を割く余裕はもはや限界に達している。
みずほフィナンシャルグループは2026年4月、事務グループを「プロセスデザイングループ」へと名称変更した。今後10年で最大5000人分の事務業務を削減すると発表。RIZAPグループは、事務系ホワイトカラーを2027年3月までに約500人、建設業などの現場職へ配置転換する方針を打ち出した。この流れはもう止まらない。
では間接部門に身を置く人間は、どうすべきか。直接部門で活躍できるよう、ゼロから再出発すべきなのか? もちろんその道もあるだろう。ただ、間接部門を減らすことはあっても、ゼロにすることはないはずだ。
生き残る道は、業務を「執行する立場」から、業務を「設計する立場」へと脱皮することだと私は考えている。AIが事務を処理するなら、人間はそのAIが最も効率的に動くためのワークフローを設計すればいい。
ここで重要になるのが「目標達成のプロセス全体を理解している」という知識だ。例えば営業企画部門を例に考えてみよう。AIによって個別の事務作業が自動化された後に残る仕事は何か。それは、目標達成のための「フェーズ管理」と「マイルストーン管理」だ。
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