この記事は、書籍『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ/クロスメディア・パブリッシング)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
部下の価値観の多様化やコンプライアンス意識の高まりによって、上司と部下の接し方は日増しに難しくなっています。
部下との接し方の難化は、当事者同士の感情的な対立によって引き起こされているわけではありません。個人の気質の問題ではなく、時代の変化に伴う構造的な問題として発生しています。
日本企業の上司が頭を痛めている「男性上司と女性部下」「女性上司と女性部下」「年下の上司」「年上の部下」のケースに着目して、その対策や注意点をお伝えします。
上司や部下が「異性」の場合の注意点
日本では「ダイバーシティ&インクルージョン」を重要視する企業が増えています。この取り組みは、性別や年齢、国籍、価値観などの「多様性」(ダイバーシティ)を持つ人々が、会社の中でお互いを尊重し、相手を受容することで、その個性や能力を最大限に生かせる「包括的」(インクルージョン)な環境を作ることを指します。
なぜ日本企業がダイバーシティ&インクルージョンを重視しているのか……といえば、そうした環境が整っていないからです。その顕著な特徴といえるのが、日本企業には、いまだに「ジェンダー・バイアス」が色濃く残っていることです。
ジェンダー・バイアスとは、性別(ジェンダー)に基づいた偏見や思い込み、決めつけのことをいいます。「男性はこうあるべき」とか、「女性はこうあるべき」といった固定観念が、役割や行動、能力の足枷となって、異性の活躍や成長を阻(はば)んでいます。
現在、日本国内では女性管理職比率の向上が目標として掲げられていますが、そもそも目標を設定しなければ女性の登用が進まないという組織の構造自体に、克服すべき課題が潜んでいます。
重要なのは表面的な数値の達成ではなく、評価や配置、育成のルールが、属性に左右されず公平に運用されているかどうかです。
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