米国がエビとサーモンという水産資源を安定的に確保していくためには、くら寿司USAの成長は欠かすことができない。裏を返せば「国策」によって現在89店舗(2026年4月末時点)の同店は300店舗、500店舗と全米に店舗網を拡大していく可能性があるということなのだ。
回転寿司チェーンと米国の食料安全保障がなぜ関係があるのか。順を追って説明しよう。
回転寿司では当たり前のように提供されているため、あまりありがたみを感じないかもしれないが、今、世界ではエビとサーモンの争奪戦が激化している。多くの日本人が大好きなマグロも世界的な争奪戦が繰り広げられ、日本が買い負ける事態も起きているが、同じ構図がエビとサーモンでも起きつつあるのだ。
この争奪戦の中心にいるのが、米国だ。エビとサーモンは、米国人が好む2大シーフードだからだ。
魚介好きというと日本人を思い浮かべる人も多いかもしれないが、三井物産戦略研究所の『エビやサーモンに見るアジア新興国の「食の高度化」』を見ると、エビとサーモンの1人当たり消費量と消費額は、日本より米国のほうが多いのだ。
「米海洋大気庁(NOAA)によれば、2022年の水産物の1人当たり消費量は9.4kgで、そのうちエビが約2.5kg、サーモンが約1.5kgと、両品目だけで約4割を占めたという」(同上)
というわけで、トランプ大統領としては当然、世界的なエビとサーモン争奪戦に勝利をおさめなくてはいけないが、実は米国には食料安全保障上の「弱点」がある。
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