この記事は、書籍『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ/クロスメディア・パブリッシング)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
部下の価値観の多様化やコンプライアンス意識の高まりによって、上司と部下の接し方は日増しに難しくなっています。
部下との接し方の難化は、当事者同士の感情的な対立によって引き起こされているわけではありません。個人の気質の問題ではなく、時代の変化に伴う構造的な問題として発生しています。
日本企業の上司が頭を痛めている「男性上司と女性部下」「女性上司と女性部下」「年下の上司」「年上の部下」のケースに着目して、その対策や注意点をお伝えします。
年上の部下には「公平」に接する
雇用期間の延長や定年退職者の再雇用が増えたことで、日本企業では上司よりも年上の人が部下になるケースが増加しています。
他社からの転職であれば、これまでにも年上が部下になることもありましたが、最近では元上司が部下になる場合も珍しくないため、多くの上司が部下の扱いに苦慮しているのが現実です。
お互いが遠慮していたのでは、チームの生産性が上がりませんが、まったく遠慮をしなければ、上司と部下の間に摩擦が生じるリスクがあります。
こうした境遇に直面したら、年上の部下にリスペクトと敬意を払いながら、上司としての役割をきっちりと果たすことが重要です。そのためには、次のようなことに注意する必要があります。
(1)丁寧な言葉遣いで接して、高圧的な態度を取らない
(2)「さん付け」を徹底して、呼び捨ては避ける
(3)特別扱いせず、公平に接する
(4)裁量権を与えて、積極的に仕事を任せる
(5)他の部下の前では絶対に注意しない
モルガン・スタンレーに在籍した32歳の頃、僕には二回りも年上の56歳の部下がいたことがあります。その人は、大手メーカーで200人の部下を率いていた元部長で、体調を崩して転職し、僕のチームに配属されてきたのです。
キャリアも実績も抜群ですから、チームのメンバーは年上の同僚の扱いに困惑気味でしたが、本人の献身的な姿勢もあって、24歳差の上司と部下は、想像以上に良好な関係を築けたと思っています。
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