「例えば、日本と海外のチームがバイクのモーターを検証する際、リモート会議の中で、そのモーターの3Dモデルを共有しながらやりとりできます。あらかじめデータをクラウドにアップロードしておけば、この部品が合うのかなども検証できるんです。XRデバイスを装着することで、PC画面ではなく、実際に仮想現実空間内で商品データを自分の手で動かすことができます」(石氏)
これは、イノワークスが近日リリース予定のアプリ「MODEL VISTA」だ。VRヘッドセットの「Meta Quest3」や「Apple Vision Pro」上で3Dモデルを簡単に表示・操作して、MR(複合現実)でのやりとりを可能としたもので、先ほどの「Unity Awards」では、その前身となるアプリが受賞した。
「MODEL VISTAを使用すれば、場所を選ばずMR空間上にプロダクトの3Dサンプルを表示できる。例えば、広場で自動車の3Dモデルを表示し、ドアを開けて乗り込み、ハンドルを握る感覚まで擬似体験できるのである。実際に筆者も体験してみたが、3Dモデルの精度はかなり高く、プロダクトデザインや大まかな仕様の確認や検証であれば、十分に耐えられるレベルだ。
加えて、石氏がモノづくり現場でゲームエンジンの活用が進むと注目しているのが「熟練工の技術を習得するトレーニング」だ。
今、全国の製造業の現場で問題になっているのが、ベテラン技術者の高齢化に伴う退職だ。蓄積されてきた技術や知見が共有されていない企業では、現場が混乱することもあるという。そこで石氏らが開発したのは、エンジン組み立て工場のラインを再現したVRトレーニングだ。
バーチャルトレーニングは既にさまざまな企業が開発していて「VR避難訓練」なども有名だ。しかし、このシステムは従来のものとは比較にならないほど、細部まで忠実に再現されているという。
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