筆者は、森保流フォロワー力の背景として以下の3つの観察軸が働いていると分析する。
個々人のパフォーマンスの質や日々の身体的なコンディションの変化を捉え、客観的な実力を正しく把握している。
選手がスタメンから外された際のベンチでの振る舞いなど、無意識に出る非言語情報からエンゲージメントを見極めている。
選手同士の声掛けの質やポジショニングの迷いから、組織内のコミュニケーションや信頼関係に目詰まりがないかを確認している。
ビジネスにこれを応用する場合、まず、面談時などの「点」で見るのではなく、日常の挨拶(あいさつ)やチャットの返信速度といった「線(変化)」で微細なギャップを捉えることが必要だ。
次に、業績悪化の原因をスキルの不足(Can)だけと決めつけず、納得感の低下(Will)がないか、メンバー間の関係性(Relationship)に変化がないかなど、非言語情報から見分けることになる。
こうした3軸を意識した観察を続けることで、現場に過度な介入をせず、自律的な修正を促すフォローを行うことができる。
日本の代表選手の集まりであるプロサッカーチームと一般企業とでは、組織における事情も異なるだろう。しかし、この違いを踏まえた上でなお、現代のリーダーが学ぶべき示唆は大きい。
現代のビジネス環境もまた、トップダウンの命令だけでは優秀な人材をつなぎ止められない時代へと突入しているからだ。 特に、専門性が高く自己主張の強い人材が多い組織や、フラットな意思決定を志向する組織において、森保流「フォロワー力」は真価を発揮しやすいのではないか。
成果を追い求められる立場の役職者こそ見落としがちなこの日々の積み重ねこそ、長期的な組織力向上に寄与する、盤石な地盤固めになるだろう。
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