パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。
近年、小売業界における人手不足の切り札として普及が進んだ「セルフレジ」。しかし今、その導入に急ブレーキが掛かっている。
実は、先行してセルフレジを積極的に取り入れていた米国の小売業界では、セルフレジを撤去して店員による有人レジに戻す動きが目立っている。日本国内でも、大手ディスカウントストアや一部のスーパーでセルフレジの運用を見直す動きが出始めている。
その最大の原因が、「セルフレジ万引き」の急増だ。
とりわけセルフレジの導入に熱心だったスーパー業界は、もともと「薄利多売」のビジネスモデル。売上高営業利益率はわずか1〜2%程度にすぎない。
仮に万引きによって1店当たり10万円の損害が出た場合、その損失を取り戻すために必要な売上は、50倍から100倍にあたる500万〜1000万円という意外と大きな数字になる。小売業界にとって、万引き被害はまさに死活問題なのだ。
この損失分を少しでも取り返すため、実はスーパー業界が水面下で行っているのが「商品の値上げ(の上乗せ)」。つまり一部の悪質な客による万引きによる損失を、大勢の消費者に薄く広く負担させているのが現実だ。
だから万引き被害は「他人事」ではなく、あなたの「損」になっているのだ。
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