このプロジェクトのユニークな点は、業務効率化の「目的」の考え方だ。
「立ち上げ当初、私自身も『効率化した時間は別の新しい仕事をしなければ』という思いがありました。でも、メンバーと話す中で『それだと絶対に人はついてこない』と気付きました」
そこで上司の後押しもあり「効率化した時間は新しい仕事ではなく、自分の人生のために使う」ことをプロジェクトの方針にした。メンバー一人一人も「おかずをもう一品作る」「友人と会う」「習い事を始める」といった、自分の生活を豊かにする目標を掲げている。
ただの業務効率化ではモチベーションは続かない。その先にある「自分のためになること」をゴールに据えたこのアプローチは、社内で共感を呼び、組織文化にも少しずつ変化を生み出している。
名古屋本社での取り組みの手応えを受け、今後は東京本社の総務担当者にも輪を広げていく予定だ。葛谷さんがAIの活用を通じて見据えるのは「働き方に制約があることが、活躍の不利にならない環境」の実現だ。
「AIは、単に楽をするための道具ではなく、自分の可能性を広げるための武器です。専門知識がなくても、考えを整理し形にしていくことで、会社や社会に貢献する側へ踏み出せる。私自身の歩みを通じてそう実感しています」
各部署に分散していた総務業務を、将来的には1つの部署へ集約する――そんな大きな理想も掲げている。非IT人材たちが生成AIを武器に組織の壁を打ち破る挑戦は、始まったばかりだ。
総務は「誰でもできるなんでも屋」か そんな過小評価を覆す、たった一つの方法
オフィスの複数拠点化で陥る「2つの落とし穴」 総務の「用務員化」を防ぐ仕組みとは?
狭くても「生産性」「快適さ」は上がる──イトーキが実践する“データドリブン“なオフィス作りCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング