新時代セールスの教科書

約1000枠の広告を“たった4人”で管理 受注件数2倍、ビックカメラの広告事業「営業しなくても売れる」DX(2/4 ページ)

» 2026年07月16日 06時00分 公開

「営業しなくても売れる」仕組み 案件と進行管理の2軸で可視化

藤島: 営業DXを進めた後、どのように業務が変わりましたか。

竹下: まず、クライアントであるメーカー企業や代理店向けに、屋外広告のサイズ感、寸法、掲載概要、周辺環境まで見られるページを作りました。物件サイトのようなイメージですね。屋外広告はほぼ網羅していて、店内装飾は数千点を載せています。

藤島: 顧客の反応はどうでしたか。

竹下: メーカー企業が自分でサイトを見て「ここ空いてますか」と問い合わせてくれるようになりました。商談するまでもなく、即決されるパターンが増えています。

藤島: オンライン完結の比率が上がったということですね。

竹下: 以前はZoomなどで商談をしてから決まる流れでしたが、メーカー企業がすでに比較検討してから「ここがいい」と発注してくれる。メールでの案内から商談、見積もり、提案――という工程が、そっくりショートカットされた感覚です。

藤島: 多くの営業は良かれと思って対面で、何でもかんでも口頭で説明しようとするんですよね。でもその時間って、本来は顧客がセルフサービスで完結できる時間でもある

 製品の概要や仕様、事例といったコンテンツをデジタルで用意しておけば、顧客は営業に話を聞かなくても自分で理解を深められる。それを営業プロセスの中に組み込んで、顧客と直接話していなくても、案件が進んでいる状態を作る。竹下さんがやっているのは、まさにこれですよね。

竹下: はい、そういう感覚です。

顧客向けサイト(提供:ビックカメラ)

藤島: もう一つの軸が、業者・パートナーとの進行管理ですよね。

竹下: 発注から工事日程調整、業者見積もり、サイズ、入稿データまで、全部デジタルセールスルーム上で管理しています。タスクをこちらから上げて、向こうから「完了しました」と返してもらう。これにより、メールや電話のやり取りがほぼなくなりました。仲間たちの工数もかなり減っています。

 「色校正を送った/送っていない」など、細かい確認のための往復が全部省けている状況です。

藤島: 人口減少が進んで、店舗の自動レジが当たり前になってきたように、営業現場も人手は確実に足りなくなっていくと思います。顧客自身でできることを増やさないと、社会構造的に回らなくなるんですよね。

 要件定義から進行管理までをデジタルで管理すると、ここまで工数を圧縮できるのですね。相当インパクトのある数字だと思います。

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