副業人材を“数合わせ”に使う企業はもう手遅れ!? 生成AI時代の採用難に負けない、IT人材戦略のイロハ(2/5 ページ)

» 2026年07月17日 07時00分 公開

正社員採用の限界が見えつつある

 企業側の副業エンジニア活用も、IT人材不足を背景に変化しています。

 先述の調査では、2025年度のIT人材採用人数が「増加した」と回答した企業は41.2%でした。IT人材採用における課題としては「現場との要件すり合わせ」(31.2%)、「他社との差別化」(30.3%)、「自社の認知向上」(29.2%)などが挙げられています。

 採用人数は増やしたい。しかし、要件が難化しており他社との差別化も難しい。こうした状況の中で、正社員採用だけに頼る限界が見え始めているのです。

 採用支援の現場でも、専門性が高い領域では、正社員採用だけでなく副業エンジニアや業務委託人材の併用を検討する企業が増えています。特に生成AIの利活用やデータ基盤構築、セキュリティといった領域では「専任人材を採用するほどではないが、社内に知見がない」「まずは小さく始めたい」という状況も少なくありません。

 また「社内にない知識・スキルの確保」「新事業・イノベーション」を理由に、副業エンジニアを活用するケースも増えています。企業は副業エンジニアを「足りない工数を埋める人」ではなく「社内にない専門性を一時的に発揮する人」として活用し始めているのです。

(出所:ゲッティイメージズ)

副業エンジニアが機能しない企業の課題

 しかし、副業エンジニアを活用すれば必ず成果が出るわけではありません。「副業エンジニアを採用したものの、うまく活用できなかった」という企業にヒアリングをすると、

  • 何を任せるのかが曖昧(あいまい)
  • どこまで権限を渡すのか決まっていない
  • 意思決定者が不在
  • 成果の定義がない
  • 社内の情報共有が不十分

 といった状況が多くみられます。副業エンジニア活用の失敗は、採用そのものではなく組織設計の失敗によるものであることが多いです。

 副業エンジニアは稼働時間が限られます。週5〜10時間、あるいは週1〜2日しか稼働できない人材に対して、曖昧な依頼を頼んでも成果は出ません。

 正社員以上に「何を任せるのか」「どこまで権限を渡すのか」「誰が意思決定するのか」「どの成果物をもって完了とするのか」などを明確にする必要があります。こういった点を明確にすることで、副業エンジニアも期待される役割を理解しやすくなるでしょう。

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