とはいえ、都道府県の輪郭をそのままカラビナにするのは簡単ではない。
開発で最も苦労したのは、熊本県だった。当初は阿蘇山周辺にカラビナの開口部を設ける予定だったが、天草諸島を含めた全体のバランスが取れなかったという。
「地図の印象を変えずにカラビナとして成立させるために、何度も試作を重ねました」(大久保さん)
最終的には、本土と天草諸島の間に開口部を設けることで、熊本県らしいシルエットを保ちながら実用性も確保した。京都府や鳥取県のような細長い県も、強度や使いやすさとの両立に苦労したという。
一方、開発の中で印象に残った県はどうか。大久保さんが挙げたのは青森県だ。
「一見すると開口部を設けやすそうに見えても、調整が難しい県は多いのですが、青森県は形状の特徴を生かしながらイメージ通りに仕上げることができました」
完成品は、一目で青森県と分かるデザインに仕上がった。カラーリングも、リンゴの皮と果肉をイメージした赤と白を採用している。
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