先述したAさんやBさんは、在宅勤務できないから出社する人たちだ。一方、その反対の人もいる。出社すると生活に支障があるから在宅勤務を選ぶ人たちだ。
このような人たちにとって、一律の「出社回帰」はかなり苦しむことになる。その例を紹介していこう。
アパレル業界で働いていたCさん(32歳)には、3歳の娘がいる。
保育園に預けてから出社するタイミングがどうしても合わず、以前の職場では働き続けることができなかった。夫は遠方に転勤してしまい、他に頼る人もいない。
そこでCさんはテレワークができるIT企業に転職。成果を出すためにいくつものKPIを自ら設定して働いていた。「頼りになる」と上司には評価されていたが、いきなり会社が制度を変えた。出社が原則となったのである。Cさんはやむを得ず、また転職することになってしまったのだ。
広告代理店で働くDさんは、50歳を過ぎてからメンタル不調に時おり苦しんでいた。とくに満員電車での通勤が体調に大きな負担をかけており、在宅勤務が認められていた頃は、通院と両立させながら安定して働けていた。
しかし会社が方針を転換した。出社が原則となったことで、通勤による体調悪化が続き、欠勤が増えてしまった。周囲からは「体調管理がなっていない」と誤解され、Dさんは肩身の狭い思いをしている。
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