「いっそ全員出社にしてください」 出社とテレワークの“不公平感”はなぜ生まれるのか「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/4 ページ)

» 2026年07月22日 09時47分 公開
[横山信弘ITmedia]

一律出社が、誰かの働き方を難しくする

 先述したAさんやBさんは、在宅勤務できないから出社する人たちだ。一方、その反対の人もいる。出社すると生活に支障があるから在宅勤務を選ぶ人たちだ。

 このような人たちにとって、一律の「出社回帰」はかなり苦しむことになる。その例を紹介していこう。

 アパレル業界で働いていたCさん(32歳)には、3歳の娘がいる。

 保育園に預けてから出社するタイミングがどうしても合わず、以前の職場では働き続けることができなかった。夫は遠方に転勤してしまい、他に頼る人もいない。

 そこでCさんはテレワークができるIT企業に転職。成果を出すためにいくつものKPIを自ら設定して働いていた。「頼りになる」と上司には評価されていたが、いきなり会社が制度を変えた。出社が原則となったのである。Cさんはやむを得ず、また転職することになってしまったのだ。

 広告代理店で働くDさんは、50歳を過ぎてからメンタル不調に時おり苦しんでいた。とくに満員電車での通勤が体調に大きな負担をかけており、在宅勤務が認められていた頃は、通院と両立させながら安定して働けていた。

 しかし会社が方針を転換した。出社が原則となったことで、通勤による体調悪化が続き、欠勤が増えてしまった。周囲からは「体調管理がなっていない」と誤解され、Dさんは肩身の狭い思いをしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR