ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
2026年10月1日、顧客による著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント。以下、カスハラ)や、就職活動中の学生らへのセクシュアルハラスメント(以下、就活セクハラ)への対策が、企業規模を問わず法的義務となる。
企業は何を、どこまで対策すればいいのか。そして、ロジハラ(正論を振りかざして相手を追い詰めること)やフキハラ(不機嫌な態度や言動で周囲に精神的な負担を与えること)のように次々と新たなハラスメントが生まれる状況に、どう向き合えばいいのか。
これまでカスハラや就活セクハラの多くは、現場の対応に委ねられてきた。それが企業の義務に変わる意味は小さくない。日本ハラスメント協会(大阪市)の村嵜要(むらさき・かなめ)代表理事は、企業が自社に都合よく主観的な解釈で対応できなくなる点を大きな変化と見る。
厚生労働省の調査では、過去3年間にカスハラを受けた経験がある労働者は10.8%だった。一方で、対面で顧客対応を行う人に限ると、61.4%が「被害経験がある」と回答した調査結果(バルテック、2026年)もある。
カスハラの被害が接客現場に集中しやすいのは、従業員が顧客と直接向き合うためだ。不満や怒りの矛先が、企業ではなく目の前の担当者個人に向かいやすいことが背景にある。
村嵜氏によれば、カスハラは対応者の能力の問題とみなされ、就活セクハラは採用する側と応募者との力関係が非対称な中で見過ごされてきた。そうした受け止めのもとで、被害者の多くは我慢してきたという。だが近年、特にカスハラでは、ためらわずに相談する人が増えている。
声が上がるようになれば、企業の姿勢も問われる。法的義務に沿った対応を怠れば、人権意識の低い企業と見なされ、取引先の撤退や採用難につながりかねない。「今後は、企業側が人を守る人権尊重の姿勢へとかじを切るしか道はない」と村嵜氏は指摘する。
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