次々生まれる「○○ハラ」に企業はどう向き合う? カスハラ対策義務化で揺れる職場の「当たり前」(3/5 ページ)

» 2026年07月27日 07時00分 公開

密室で、証拠も残らない

 就活セクハラは、カスハラとは別の難しさを抱える。厚生労働省の調査では、就職活動中にセクハラを受けた学生は31.9%。約3人に1人に上るが、被害の多くは表に出ないまま終わる。

 面接は1対1の密室になりやすく、やり取りが職場の外に及ぶこともある。第三者の証人がなく、証拠も残りにくいため、訴えても双方の主張が食い違えば、セクハラの有無を判断するのは難しいからだ。

 そもそも、就活生が被害を訴えること自体に大きなハードルがある。実名で相談すれば、選考に影響するのではないかという不安がある。一方、匿名では、企業側が事実確認に時間がかかるとして、対応が遅れる可能性もある。

 就活生は、企業に自分を評価してもらい、内定を得たい立場にある。その相手である採用担当者に対して、「ハラスメントを受けた」と伝えるには、大きな勇気が必要になる。

photo セクハラ被害は声をあげづらい

 日本ハラスメント協会が企業に事実確認を求めても、法的な強制力はなく、実際に企業が動くのは、就活生がその企業の選考を辞退した後になるケースがほとんどだという。

 改正男女雇用機会均等法では、企業に対し、就活セクハラを許さない方針の周知や、面談の時間・場所をあらかじめ決めるなどの採用ルールの整備、相談窓口の設置が求められる。

 しかし、村嵜氏は「企業内に設けた相談窓口だけでは、実際には機能しにくい」と指摘する。就活生にとっては、選考を行う企業に直接相談することへの不安があり、「企業に都合よく処理されるのではないか」と感じてしまう可能性があるためだ。

 そこで有効なのが、企業から独立した外部相談窓口の設置だ。求人情報などで相談先を明示すれば、就活生は「被害に遭っても相談できる場所がある」と安心できる。

 また、企業にとっても、就活セクハラ対策に取り組む姿勢を示すことにつながる。人材獲得競争が続く中では、外部窓口の設置はリスク対策だけでなく、企業イメージの向上にもつながる。

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