新しいハラスメント用語が社会に広まっても、それを社内規定や研修に反映している企業はまだ限られている。実際にフキハラや音ハラ(音によって相手にストレスや不快感を与える行為)への相談を受けた企業が、後から対応ルールに加えるケースが多い。
そのため、相談する側も「社内規定にない行為を訴えても対応してもらえるのか」と不安を感じ、声を上げにくい状況がある。言葉の認知が広がる一方で、企業の制度や運用が追いついていないのが現状だ。
将来、対策義務の対象になる可能性がある新たなハラスメントはあるのか。村嵜氏は「フキハラは、今後、法規制や企業の対応義務の対象になる可能性がある」と指摘する。
実際に、不機嫌な態度や威圧的な振る舞いによって、職場全体に影響が及ぶケースもある。2025年には、警視庁の警視正が約4年間にわたり、100人を超える部下に不機嫌な態度を取り続けたとして処分された。
単なる個人の性格の問題ではなく、職場の雰囲気を悪化させ、組織の機能を損なう問題として認識されれば、将来的に企業の対応が求められる可能性もある。
カスハラも、数年前までは新しく生まれた言葉の一つにすぎなかった。しかし今では、すべての企業に対策が求められるまでになっている。
現在はまだ「新しいハラスメント」として扱われている言葉の中にも、将来的には企業が対応を求められるものが出てくるかもしれない。大切なのは、被害を受けた個人が我慢して抱え込むことではなく、企業が組織として何を許さず、どこに線を引くのかを明確にすることだ。
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