ドンキで年間2.4億円売れる“1キロ超え”弁当 「多いだけでガッカリ」にしない工夫とは?(3/4 ページ)

» 2026年08月24日 05時30分 公開
[米倉志保ITmedia]

物価高のなか「体験価値」を訴求

 「衝撃の一食」シリーズは、800円前後から1000円を超える商品まであり、弁当としては比較的高価格帯だ。ボリュームや大きさ、背徳感、食べ切ったときの満足感まで含め、価格以上の価値を感じてもらうことを狙う。「遊び心を持ちながら、今日頑張る人の気持ちを満たすドンキだからできるご褒美飯として、常識を超えて背徳感を詰め込んで作っている」という。

店頭で販売している「衝撃の一食」シリーズ(提供:PPIH)

 こうした価値を重視する背景には、物価高による消費者の目線の厳しさもある。単純な安さだけでなく、支払った金額に対してどれだけ楽しめたか、満足できたかという「体験価値」が重要になっているという。一方で、せっかくお金を払うなら、思い切り満足したいというニーズもあるとみている。

 総菜としては高価格帯だが、外食よりは安い価格設定を狙う。当初は売れるか不安もあったそうだが、想定を上回る売れ行きとなった。

 ボリューム感のある商品だが、購入者の男女比はほぼ半々だ。午前11時〜午後6時は女性の比率が約54%とやや高い。主婦などが昼食や夕食の買い出しに訪れた際、家族でシェアする目的で購入しているとみられる。一方、午後6時以降は男性の比率が約62%で、仕事帰りに夕食や夜食用として購入するケースが多い。

「超☆衝撃 夢にまで見た巨大なオムライス」(1402円)

 売り上げが伸びるのは午後5〜8時で、1日頑張った自分への「ご褒美飯」として購入されているとみている。中心顧客は30〜50代だ。大容量弁当は1人で食べるだけでなく、複数人でシェアすることもできる。そのため、背徳感やコストパフォーマンスを求める幅広い世代から需要があるという。

 大M氏は「男性だから、女性だから、というのは今はあまりない。食べたいものの価値に対して対価を払うという考え方だと思う」と話した。

 ドンキでは現在、総菜を成長分野の一つと位置付け、さまざまな商品を展開している。「みんなの75点より、誰かの120点。」をコンセプトに、開発担当者が「好きな人は絶対に好き」と確信するメニューだけを提供する「偏愛めし」シリーズのほか、社内料理コンテストで優秀な成績を収めた従業員が考案した「鉄人の一品」シリーズ、税別250円で提供する「ニコプラ丼(ニコっとプライス 250円丼)」などを販売する。

 2025年6月期の総菜事業の売上高は630億円。2035年6月期までに2000億円へと引き上げることを目標に掲げる。「衝撃の一食」シリーズもこうした成長を担う商品として、今後もラインアップを拡充していく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR