地震で八代工場が被災した日本製紙は、複数の工場煙突が倒壊しました。それにより押しつぶされた建物内で勤務していた同社社員と協力会社社員9人が死亡しています。こちらの広報対応は、そのスピード感の点でイオンとは対照的でした。
死亡事故発生翌日の29日には公式Webサイトで簡単な状況報告のみ公表。31日、その情報を少し加工したレベルのものをニュースリリースとして発表しましたが、会見を開いたのは事故発生から実に8日後でした。
原因が自然災害によるものであっても、9人もの人が亡くなっている施設運営当事者の対応として、経営者が被害者および社会に対し「お悔やみ」なり謝罪なりの意を示すのに、あまりに遅いと考えます。イオンの迅速な対応があっただけに、より一層、企業体質・文化の違いが浮き彫りになったと感じさせられました。
また会見そのものからも、日本製紙の企業姿勢が透けて見えました。
社長らの受け答えはそつなくこなした感がありましたが、そもそも会見に1時間という時間制限を設けたことは、大きな死亡事故に向き合う姿勢という点で疑問符が付くところです。「次のスケジュールがあるので」との理由でしたが、多数の関係者が亡くなっている事故を謝罪、説明する場以上に優先すべきスケジュールがあるのでしょうか。経営の考え方として、人の命を軽視した姿勢を疑われても仕方がありません。
さらに席上の記者からは、同社が会見までわずかな情報しか流してこなかったこと、さらには従業員に対して「メディア対応の広報への一本化」を指示しながら、広報へ問い合わせてもまともな回答が返ってこないことが指摘されました。良いにつけ悪いにつけ「極力情報を出したくない」という姿勢が、ここからはうかがえます。
有事のときほど、企業文化や体質が明らかになるものです。昭和の名門企業にありがちな「書かれないことを良しとする」企業文化が、一連の対応に現れたように思います。
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