熊本地震で「イオン」と「日本製紙」に“決定的”な差が出た理由 広報対応の分かれ目はどこに?(4/5 ページ)

» 2026年08月27日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]

マスコミや世間から猛批判を浴びた会社も

 もう1社、上場企業ではありませんが、危機管理広報対応からみて他山の石とすべき企業がありました。イオンの爆発事故で、2人の社員が亡くなったハビタです。

 ハビタは九州で15店舗を展開し、イオンモール熊本にも出店していたコスメと雑貨のセレクトショップです。熊本では名の通った10社ほどの企業群からなるヘルスケア系の同仁グループに所属しています。社長は、グループの社長でもある上野景真氏が兼務しています。

 同社は今回の事後対応について、世間から強い非難を受けています。きっかけとなったのは、取材拒否をしていた上野氏と営業部長が弔問に訪れた、被害者の葬儀会場でのことでした。被害者本人の意思で被災建物内に戻ったとしていた当初の営業部長の説明に、嘘があったと親族に問い詰められている場面をマスコミにキャッチされ、これが大々的に報道されたのです。

 親族が強く営業部長の虚偽説明を非難している場面で、同席の社長はだんまりを決め込むという有様。最高責任者たる経営者の姿勢として首をかしげたくなる対応でした。危機管理広報の観点からは、まず取材拒否が論外です。さらに虚偽発言報道を受けてなお、社長が謝罪と事情説明の会見をしないことが(その後、営業部長がマスコミ対応するも社長は同席せず)、企業としての社会的責任を果たしていないと言えます。

 またネット上では複数のメディアが、事故発生後に親会社の公式Webサイトからハビタを削除し、吉田社長のプロフィールや写真も隠す不可解な行動があったと報じています。これが事実であるならば、経営者自身が問題と対峙(たいじ)することなく不祥事からの逃げの姿勢を決め込んでいる、と思われても仕方ありません。

 ちなみに、同社が公式Webサイトに事故に関するお悔やみコメントを掲載したのは、被災から数日経った8月3日であり、以降続報的な対応はしていません(同じく従業員が死亡したオンワードホールディングスは、7月31日にお悔やみコメントを、8月4日と5日には経緯説明と対応策を表明)。

ハビタが8月3日にWebサイトで発表した内容

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