エレコムがトラックボールに仕込んだ工夫 売上1.5倍、「もっと滑ってほしい」にどう応えた?開発に2年(2/4 ページ)

» 2026年09月19日 07時00分 公開

支点の配置検討は10パターン以上

 IST PLUSの開発は2023年ごろ、初代ISTの発表後に動き出した。支持ユニットを交換できる仕組みは、初代から採り入れたものだ。

 トラックボール利用者から、ボールの滑り心地を気にする声が多く寄せられ、自社製品のレビューでも、こうしたコメントが目立った。「好みにあわせてユニットを交換することで、長く快適に使ってもらえると考えた」と商品開発部I/Oデバイス課課長の古畑義矢氏は語る。

photo 初代モデルから交換式を採用

 ただし、構造の異なるユニットを1つの本体で受けられるようにする設計は、簡単には固まらなかった。支持ユニットが大きいと本体内部の設計を圧迫するため、できる限り小さく収める必要がある。条件に合う小型のベアリングユニットがなかなか見つからず、最終的にミネベアミツミ(長野県御代田町)の小型ベアリングを採用した。

 また、ユニットを付け替えても操作感が損なわれないよう、部品の寸法のばらつきを抑え、取り付け精度を高める調整にも時間を費やした。

photo 開発には2年を費やした。

 ボールの支点をどこに置くかも課題だった。本体にはボールを取り外すための穴があり、設計上そこに支点を配置できない。「滑りは良くても内部の部品や別の設計部分に干渉してしまうため、配置を変更しなくてはいけないこともしばしばあった」と古畑氏は振り返る。

 検討した配置は10パターン以上に上り、商品化までは約2年を要した。

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