企画や商品を実際に動かしてみると、思っていたのとは少し違う“数字”が見えてくる。売り上げだけでなく、どの時間に売れたか、どんな組み合わせで選ばれたかなど、現場ならではの動きだ。本特集では、実際に試してみたことで分かったことを手がかりに、仕事の中に隠れている小さな発見を拾い上げていく。
自販機なのに、動く。
そんな移動型の無人販売ロボットが、成田国際空港(以下、成田空港)で使われている。スタートアップのピムト(東京都墨田区)が開発した「PIMT-0(ピムト)」だ。
最大の特徴は、タイヤが付いていて、ラジコンのようなコントローラーで動かせること。設置に必要なスペースは1平方メートル以下と、小さな自販機だ。2026年4月に成田空港で運用を始めたところ、1台当たり週500個以上のぬいぐるみを販売した。
平均客単価は約2200円。単純計算すると、1週間で約110万円、1カ月で約440万円になる。
コンビニのように広い売り場を構えるのではなく、小さな自販機を動かしながら販売する。実際に運営してみて、どんなことが分かってきたのか。
まず、売れる場所は必ずしも「人が多い場所」ではないことだ。
現在、成田空港では2台を運用している。1台は第1ターミナルの保安検査場を抜けた先、国際線の出発ロビー中央部に設置している。日本旅行を終え、帰国前の外国人は、土産物などの購買意欲が高まっているのかもしれない。興味を持って、自販機を眺める人もいる。
もう1台は、第2ターミナルと第5ターミナルを行き来している。出発ロビー中央部と比べると人通りが少ないので、「それほど売れないのでは? 飛行機が飛び立った後は、ガラガラだよね」と思うかもしれない。
確かに、人が少なくなれば売り上げは落ちる。ただ、ここでは、人通りの少なさを補う条件があった。ターミナル内でも、この周辺には店舗が少ないのだ。
飛行機に乗る前に買い物をしたくても、近くに店がなければ買わない。そんな場所に自販機があることで、購入につながっているという。
人通りの多い場所では、売り上げが期待できる。ただ、単に人が多ければいいわけではない。「人が集まり、近くに買い物ができる店が少ない」。そんな場所も、売れ行きを左右する重要な条件になっている。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
なぜ「皮だけ」「ガリだけ」が売れるのか 販売データで見えたドンキ「偏愛めし」の買われ方
東横インのトイレが少し大きくなった たった数センチ、実は大仕事だった
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング