「日本経済の先行きが不透明な中、おにぎりを通じて日本食の魅力や文化を世界に発信したいと海外展開を決めました。台湾、韓国、香港、シンガポール、中国、米国で展開しており、いずれも現地企業からの打診が起点となっています」(マリノ 水野社長)
直営店舗のみの国内に対し、海外店舗は全てフランチャイズで展開。海外でも厨房付きで調理工程を見せるのが通常だが、10店舗以上に広がる台湾ではサテライト店舗も導入する。
韓国と中国では、関税の都合で日本米を使用していない。それ以外の国では、日本米のごちそう焼きむすびを看板商品に据える。Aランクに位置付けている売れ筋メニューは残しつつ、現地では好まれにくい梅、高菜、生姜などを避け、スパイシーなツナマヨやサーモンを加えるといったローカライズをしている。国によって多少異なるが、単価は日本の1.2〜1.3倍で、やや高級路線だ。
反響を尋ねると、中国・深センを除き順調とのこと。特に、台湾と韓国は好調だ。台湾では、日本食レストランが2023年から340店減少するなか(2025年11月時点、農林水産省調べ)、駅直結のキッチン常設店や百貨店内のポップアップ店舗が好調に推移。「日本食レストラン」ではなく、「日常の主食」として受け入れられている手応えがあるという。
今年は、現地パートナーがセントラルキッチンを立ち上げ、各店の調理負荷が下がったことから出店余力が生まれ、12月までに15店舗の拡大を見込んでいる。
韓国では、老舗高級デパート「新世界百貨店」で5店舗を運営する。同国では、この2年間で日本食レストランが1590店も増加した(2025年11月時点、農林水産省調べ)。
そうした日本食人気の高まりもあってか、2025年8月に開業した「新世界百貨店 江南(カンナム)店」では、開業から1カ月で、国内店舗の約3倍に当たる約3800万円(2025年9月29日時点の為替レート換算)を売り上げた
この9月には、米国にも進出。現地で広島お好み焼き店を展開する「ちんちくりん」と協業し、ロサンゼルスのリトル・トーキョーに、9月9日に開業した。日本産コシヒカリを100%使い、ごちそう焼きむすびを含む約20種類を販売している。
おにまるは、今後も国内外で出店を続ける方針だ。ブームが停滞する中、どこまで店舗を伸ばせるか。
1981年生まれ。エンタメ業界で約10年の勤務後、2016年にフリーライターへ転身。主に「経済(消費トレンド等)」「国内外のイノベーション」「社会課題」を扱う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。海外文化にも興味が強く、東南アジアへの短期移住や2020年から約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。2022年3月からは東京拠点。現在の担当媒体は、「ITmedia ビジネスオンライン」「文春オンライン」「ビジネス+IT」「東洋経済オンライン」など。
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