同社の西田芳明会長は「従来の現場監督は与えられた図面の通りに仕上げることが求められ、そこに個人の手腕が問われた」と指摘。しかし、工事内容を標準化すれば「現場で試行錯誤して勘を磨く」といった時間を節約できる。西田氏は「大学や専門学校で学んだ監督の本来の役割は、新しい技術や工法を建築に応用し、建築の価値を高めることにある」と強調する。
若者の建設業界離れを引き起こしたもう一つの要因は「この道でがんばれば何年後にどうなれるか」というキャリアアップの仕組みが見えにくいという構造的な問題だった。建設業界を対象に教育プログラムを提供するハタコンサルタント(名古屋市)の降籏(ふるはた)達生社長は「成長を実感できることが現代の若者を引き付ける鍵。5年で一人前になれば仕事がおもしろくなる」と訴える。
同社は職種や年代ごとに人材養成の工程表を作成。神戸市内の建設会社で現場監督を目指す男性(22)は大阪市内でハタコンサルタントの研修に参加し、「かかわった建物に住んでもらい、よろこんでもらえるようになりたい」と目を輝かせた。
給料や手当などの処遇も他業界より遅れているとされる。官民で19年4月に本格運用が始まった「建設キャリアアップシステム(CCUS)」は、現場で工事に当たる技能者の就業履歴や資格などを登録し、適切な処遇に結び付ける。25年8月末現在で約171万人が登録されている。
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