建設業界の「見て覚えろ」が限界に 若手を育てる「仕組み」とデジタル(4/5 ページ)

» 2026年09月27日 19時30分 公開
[産経新聞]
産経新聞

デジタル化、データ統合で工事現場を省力化 情報の利用も迅速に

 建設現場のデジタル化を進め、作業時間を短縮して人材不足を補う動きも広がっている。工事がデジタル化されデータが集約されれば、「経験」よりも「IT」の能力が求められる時代が来るかもしれない。

 土木工事会社のTOTALMASTERS(三重県桑名市)は、ショベルカーの施工支援システムを独自開発。他社にも提供している。

 「地面をどの深さまで掘るか」「道路や宅地の斜面をどの角度で仕上げるか」などの判断は、長年の経験を持つベテランの感覚や経験に頼る場面が多く、言葉で教えることが難しいという。

 同システムはこうした「暗黙知」を組み込んだ。操縦席に設置したタブレット画面でショベルカーの動きを確認でき、「ここまで掘ればいい」という施工ラインが青色で表示される。100現場以上で導入され、施工時間を半分に短縮した実績があるという。

 同社は「経験とデジタルを組み合わせることで、若い人でも活躍しやすく、少人数でも安全に作業できる現場をつくりたい」としている。将来的には施工データの蓄積による生成人工知能(AI)解析や遠隔操作との連携も視野に入れる。

 一方、米ソフトウエア企業のOctave(オクターブ)は、鉄道や道路などの重要インフラの設計から建設、運転、保護までのデータを蓄積し、AIで解析するシステムを構築している。担当者は「工事でトラブルがあった場合、類似事例の情報をシステムから取り出して迅速に対応できる」と話す。(牛島要平)

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