「漫画『キン肉マン』ロビンマスク (原作Ver.)」(16万5000円)は、『キン肉マン』に登場する人気超人であるロビンマスクを原作に近いサイズ、造形、材質で再現した商品だ。高額ながら受注生産で300体以上を販売している。
『キン肉マン』の大ファンだった社員が自ら試作品を作り、作者に商品化を直談判した。上司には事後報告だったという。
キャステムでは、社員の身近な興味や話題を起点にアイデアを出し、まず試作品を作ってみることで商品化につなげてきた。こうした商品開発を支えているのが、BtoB事業で培った多品種少量生産の強みだ。
同社は、特定の顧客や業界に依存せず、さまざまな企業から少量ずつ部品を受注してきた。こうした生産体制があるため、大手玩具メーカーでは採算が合いにくい少量の商品でも、キャステムなら商品化できる。大量販売を前提とせず「大手がやらない商品」を狙った。
BtoC事業への参入当初は苦戦したものの、約3年で利益を生み出す事業へと成長した。現在、自社商品の売上高は会社全体の2〜3%程度だが、毎年20〜30%程度のペースで伸長しているという。
自社商品の開発が、従来のBtoBの部品を製造する技術向上にもつながっている。金型を手掛ける企業が減少する中、キャステムでは、金型製作の経験者が不足していることを課題として捉えている。そこで、BtoC商品の製造で培ったシリコン型の技術を、工業部品の製造にも応用している。シリコン型は金型に比べて製作の難易度が低く、短期間で作れるため、金型製作の経験が浅い社員でも製造工程に携わりやすい。
シリコン型の活用方法を指導しているのは、自社商品の開発を担当するメンバーだ。BtoC商品の開発で培った技術やノウハウを、工業部品の製造にも生かしている。
こうした取り組みによって、キャステムの知名度も向上。20人前後の新卒採用枠に対し、800人を超える応募が集まるまでになった。記事の後編では、同社の人材戦略に迫る。
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