キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。
10月7日、京王電鉄など首都圏の鉄道4社で「乗車ポイント」が始まる。発行会社を問わず、Visaのカードやスマホで改札にタッチすれば、運賃に応じてVポイントが貯まる仕組みだ。三井住友カードによると、鉄道など大量輸送型の公共交通で共通ポイントが貯まるのは国内初だという。乗車そのものにポイントを付ける狙いは、どこにあるのだろうか。
10月7日から、鉄道4社で乗車にVポイントを付与する取り組みが始まる。もちろん、これまでもクレジットカードで乗れば各社の決済ポイントは付いた。三井住友カードは、自社カードをスマホのタッチ決済で使って乗れば、最大8%を還元してきた。
しかし今回は仕組みが違う。鉄道会社自身がVポイントの提携先になり、乗車そのものにポイントが付くのだ。三井住友カードである必要もなく、Visaブランドであれば、発行会社を問わずポイントが貯まる。
乗客が事前にしておくのは、Vポイントアプリの「乗車で貯める」から、クレカなどのタッチ決済で鉄道に乗れるサービス「Q-move」の会員IDとV会員番号を連携させておくことくらいだ。その後は、登録したVisaのタッチ決済対応カードかスマホで改札にタッチするだけで、乗車した運賃に応じてポイントが付与される。
三井住友カードTransit本部長の石塚雅敏氏も「毎回のエントリーも、乗車券の購入も、券面の提示もいらない。普段の移動の中で自然にポイントが貯まる」と手軽さを強調する。
対象となるのは京王電鉄、つくばエクスプレス、ゆりかもめ、江ノ島電鉄の全線・全駅で、まずは2年間の実証実験として始まる。クレカに限らず、Visaのデビットカードやプリペイドカードでも使える。
付与率は200円につき1ポイント(0.5%)で、12月30日までは10倍の5%に引き上げられる。さらに、Oliveフレキシブルペイのクレジットモードをスマホのタッチ決済で使うなどの条件を満たせば、決済ポイントの最大8%と合わせると、最大13%になる計算だ(決済ポイントは1000ポイントが上限)。
とはいえ、通常時の0.5%は、コンビニやドラッグストアで貯まるVポイントと同じ水準にすぎない。乗客にとって、特別に大きな還元というわけではないのだ。それなら、鉄道会社は何のためにVポイントの提携先に加わるのか。
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