筆者が店を訪れた午後3時ごろ、店内のコミュニティスペースでは中高生のグループや仕事をする人や、会話を楽しむ女性らが過ごしていた。店で買ったアイスコーヒーを手に30分ほど過ごす間に、学校帰りの子どもたちが加わり、利用者はさらに増えた。
コンビニに30分以上もいる客はまれだ。しかし、この店では宿題をする小中学生や、絵本を読んだり木のおもちゃで遊んだりする幼い子ども、お茶を飲みながら話し込む大人の姿が見られる。居心地がよく、時には寝る人もいたという。
同社がこの空間を「イートイン」ではなく「コミュニティスペース」と呼ぶのも、そのためだ。食事を済ませたら早めに席を空けるのが通常のコンビニだが、この店では長く過ごしてもらうことをむしろ歓迎する。「食べたらすぐ出て行ってくださいという形では、人が集まらなくなる」と氏本氏は語る。
人が集まる機会も積極的につくっている。これまで、ナイトシアターや健康講座などのイベントを開き、約300人が参加した。
地域拠点としての価値を、売り上げ以外のどんな物差しで測るか。社内でこれから具体的に検討していく段階だという。「まちづくりの歴史は、ローソンの50年の中にはない。手探りの部分は課題であり、伸びしろでもある」(氏本氏)
目指すのは、5年後に若者が帰ってきたくなる街だ。店の採算を保ちながら、近くにローソンがあるから若い家族も不便なく暮らせる、と思える街にしたいという。売り上げに占める若い世代の利用割合が増えることも、一つの指標になりうるとする。
2030年に100カ所という目標に向けて、UR都市機構や自治体、団地を持つデベロッパーからの問い合わせも増えている。
生鮮品から総菜、薬、絵本、クレーンゲームまでがそろい、子どもから高齢者まで世代を超えて人が集まる様子は、かつての商店街にも重なる。「タウン」の名が示すのは、こうした姿なのかもしれない。
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