――顧客の課題を、部門の壁を越えることで解決してきたDNAがあることは分かりました。そうした社内に蓄積してきた経験やノウハウを、次の世代にどう引き継ぐのでしょうか。
内藤: これからの世代にどう伝えていくか。これはまさに当社の今後の課題です。ユポの強みはテクニカルサービスだと昔から言われてきました。若手は経験が少ないので、経験させないとノウハウは身に付きません。ただ現実的に、一人でいろいろなことをやるのも難しい。ですから印刷は印刷、加工は加工と分業して継承していく必要があると考えています。
――そうした暗黙知の継承に、AIは使えるのでしょうか。
宮口: 一人一人の経験の少なさを、AI活用によってカバーできる部分があります。だからこそ活用しなければなりません。加えて、社内に眠っている情報をどうするかという問題もあります。中途採用の社員も増えており、何の情報がどこにあるのか分からない状態になりがちです。そこでAIのチャットボットを、カテゴリーごとに作り始めています。まずシステム関連から始め、人事制度や営業、開発と広げていく。これがこれからのステップです。
内藤: 「この課題解決に対する、お勧めの仕様やグレードは何?」とAIに聞けば、候補がたくさん出てくる。そういう使い方をしています。
――工場でのAI活用の可能性は、どう考えていますか。
宮口: 工場の自動化と、安全対策に使えないかと考えています。まずはスマート工場化を進めているところです。
現場にはまだ紙帳票に依存した業務管理が残っていますので、まずはデータ化・ペーパーレス化を進め、その基盤の上にAIを活用していくというステップを踏んでいます。特に伸びしろが大きいのは、安全管理の高度化と熟練工の技能伝承です。作業前のリスクチェックをデジタル化し、ヒヤリハットやノウハウをデータとして蓄積していく。そうした着実なデジタル化の積み上げを進めている段階です。
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