プロジェクト進捗について、現場から「順調に進んでいる」と報告されていても、資料を詳しく見ると、作り込みが不十分だったり、特定の担当者に負荷が集中していたりすることもある。こうしたリスクの兆候を見つけるには、マネジャーなどが報告書や議事録などを読み込み、必要に応じて現場に確認しなければならないが、膨大な手間がかかる。
ソフトウェア開発を手掛けるNTTテクノクロス(東京都港区)は10月8日、こうした課題に対応するSaaS「PromanAIde」(プロマネイド)の提供を開始した。進捗報告書や課題管理表、議事録などをAIが分析し、遅延や品質低下といったリスク兆候を可視化。対応が必要なポイントや改善策も提示し、管理者が問題のあるプロジェクトを優先して把握できるようにする。
NTTテクノクロスによると、5人体制で3カ月程度のソフトウェア開発プロジェクトが5件並走した場合、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス:個々のプロジェクトのマネジメントを横断的に支援する部門)が状況確認に割く工数を週25時間から10時間に、約60%削減できるという。
同社は今後3〜4年で約50社への導入、3億円規模の売り上げを目指す。どのようなサービスなのか。
PromanAIdeは、プロジェクトに関する資料をAIが分析し、遅延や品質低下につながるリスクの兆候を見つけるサービスだ。月額15万円から提供する。
進捗報告書や課題管理表、議事録などをアップロードすると、AIが資料を横断的に分析。熟練したプロジェクトマネジャー(PM)や品質管理部門が着目する観点から、プロジェクトの状況を評価し、リスクの兆候や対応が必要なポイントを示す。
アップロードする資料は専用のフォーマットに作り直す必要がない。既存の資料をそのまま分析できるため、現場に新たな報告作業を求めずに利用できるという。
分析するのは「進捗」「品質」「リスク」「コスト・体制」「コミュニケーション」の5軸で、計100以上の観点からプロジェクトを評価し、100点満点のスコアで示す。
複数のプロジェクトを一覧できるダッシュボードでは、評価結果や優先して対応すべき案件を把握できる。評価の根拠や改善策も確認でき、AIチャットで「なぜこの評価なのか」といった内容を深掘りすることも可能だ。
これまでのAIを搭載したPMOサービスでは、日程調整や議事録作成など、プロジェクト管理に伴う定型的な作業をAIが代行する使い方が中心だった。これに対しPromanAIdeは、管理者が1つ1つの報告書を読み込む時間を減らし、問題のあるプロジェクトへの対応や意思決定に時間を振り向けられるようにするのが狙いだ。
NTTテクノクロスが大規模システム開発で培ってきたプロジェクトマネジメントの経験や、複数の関係者・ベンダーとの協働などの知見を生かして開発した。
NTTテクノクロスの取締役 クロスプラットフォーム事業部長の小西史和氏は、PromanAIdeについて「セカンドオピニオン」のような役割を目指していると話した。現場からの報告とは別で、AIが資料を分析し、別の観点からリスクや対策を提案する。
小西氏は「経営観点では細かい情報そのものが知りたいというわけではなく、そこから類推される将来の課題に関する予見といった具体的な指標などが欲しい」と説明。AIによってプロジェクトの状況を俯瞰(ふかん)し、将来のリスクや課題を早期に把握することで、経営判断や問題への対応に注力できるようにする狙いだ。
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