同区では、電話や窓口での相談内容をAIがリアルタイムでテキスト化し、要約する相談業務支援システムを導入している。相談内容の記録を作成する負担を減らすほか、発話内容に応じて必要な情報を表示するガイダンス機能や、上席者が相談対応を確認・支援できるスーパーバイザー機能も備える。
このシステムは2026年現在、13部署の相談窓口で導入されている。導入当初は業務効率化が主な目的だったが、現場からは別の効果も聞かれたという。
「これまでは一対一で相談対応をしていました。しかし、システムを入れることで、上席がやりとりを聞き、時にサポートしてくれるといった安心感が得られ、記録を取らなければいけないというプレッシャーからも解放されます」
相談業務では個人情報を扱うため、マスキング機能も備えている。
江戸川区が特にAI活用に力を入れている分野の一つが、災害対策だ。実は同区は、区域の約7割が海抜ゼロメートル地帯であり、水害や首都直下地震などへの備えが課題となっている。
そのため区では、通信キャリアに依存しない自営通信網を整備し、防災用カメラを設置している。高所カメラや市街地カメラ、河川カメラを組み合わせ、そこにAIの機能を組み込んだ。
高所カメラには、AIによる煙検出システムを導入。区内の火災を検知して担当者に知らせる。また、河川カメラの映像分析にもAIを活用。通常時の水位をAIに学習させ、大雨などで異常が発生した場合に担当者へ通知する。
渡辺氏は「職員に代わり、24時間365日監視することで、精度の高い分析を行い、災害への対応力を高める」と説明する。
「情シスすごろく」に自治体版 「チャットアプリ移行したのに転記作業」など“あるある”収録、制作のきっかけは
“純国産の政府AI”稼働へ NTTらのモデル採用 「先陣を切る」――松本デジ相が語った意欲
ガバメントAI「源内」は自治体で本当に使えるのか? クラウド依存による“3つの落とし穴”
千代田区、生成AI全庁展開で「年間4000時間」を削減 次の一歩は「打倒・美しい紙の資料」、そのワケは?
「AI駆動型国家」の落とし穴 「自治体システム標準化」の“失敗”を繰り返さないための教訓とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング