――研究農場では、どのようなスマート農法を目指しているのでしょうか。
九州大学の研究をベースに、他のスマート農法(ITやAIを使った農業)との違いをどこに出すかを考えてきました。当社には農業の知見があります。それを生かし、人間が能動的に働きかけるのではなく、植物が欲しがっているものを、AIがデータを分析し、タイムリーに察知して供給する農法を作り込んでいます。
従来のスマート農法では、温度が上がると通知が飛んできて、ハウスのシートを巻き上げる作業は人間がしなければなりません。私たちの農法では、例えるなら植物が「暑い」と言えば、シートが自動で巻き上がります。水が足りなければ水が入り、光が足りなければ、光合成の状態を分析した上で、適切な措置を取ります。狙いは、植物が本来持っている力を発揮させ、最大限の収量を得ることです。糖度の高い作物を作ることにも取り組んでいます。
研究農場は全社で共有する場で、各事業部が証明したいテーマを持ち込むこともできます。いずれは農家の方が見学に来たり、農家を目指す人が研修を積んだりできる場にもしたいと考えています。
――農業・園芸事業の海外展開について、どのような展望を描いていますか。
東南アジアを入り口にしています。シンガポールに拠点を置き、農業と園芸の分野でどんな事業ができるかを、まずリサーチしています。「海外に出る」と言いながら具体的な手立てがないのなら、まず実際に海外に出てみてから調べようと考えました。
シンガポールは国土が狭く、葉物野菜を室内で育てる植物工場に投資が集まっています。一方トマトやナス、イチゴといった果菜類は、国境を接するマレーシアから入ってきています。そこで、マレーシアで青果物の流通を手掛けるSECAI MARCHEに出資しました。同社は、青果物の付加価値や収量を高めたいという課題を持っており、その解決に当社が関わります。現地には2人を配置することが決まっており、現地法人の設立に向けて準備を進めています。
――10年後、welzoをどんな会社にしたいですか。収益の柱は何になっているでしょうか。
ベースになる農業資材は当然、収益の柱です。ただ、これまでの当社は農業資材を売るだけでした。これからは川上から川下までを手掛けていきます。
農業の出発点は種や苗で、何を植えるかが決まって初めて必要な資材が決まります。まずは川上の種や苗に進み「作物のことなら当社に聞け」と言われる存在になります。その上で製造方法にも、流通にも関わります。SECAI MARCHEと組む事業では、当社のブランドを付けた青果物も流通させるつもりです。
10年後には、水産資源も園芸資材も、welzoの商品として認知される会社になっていればよいと思っています。「農業のことならwelzoに頼れ」「園芸のことならwelzoに頼れ」といわれる会社です。名前が知られる会社でなければ、人材も来てくれません。社会に貢献している会社だと思ってもらえる会社にしたいですね。
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