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なぜテレビ局はダメになったのか? 変わる視聴率競争:消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(4/7 ページ)
テレビ局を取り巻く経営環境は厳しさを増している。この背景には、長年にわたりテレビ局と「蜜月の関係」を築いてきた広告代理店が彼らを見限り始めていることが大いに関係するという……。
放送業界を支えてきた広告代理店
新聞業界での慣例が放送業界に持ち込まれた一例が、広告代理店という存在である。
広告代理店最大手の電通は、元々は新聞社への記事配信を本業にスタートした。しかし、新聞社からの記事掲載料の徴収が進まず、その代わりに自らがあっせんした広告主からの新聞広告料の一部を受け取ることで費用を回収してきた。戦後まもなく、記事配信業務を担う会社と広告主斡旋業務を担う会社とが分社化、後者が広告代理店の電通である。
広告代理店は創業当初より、新聞業界とは持ちつ持たれつの関係にある。民間放送局誕生に伴い、放送業界のCM枠の仲介にも食い込んだ。広告代理店は、放送業界のCM枠でも、スポンサー料決定などで中心的な立場となり、放送局と広告主との間で利害を調整し、CM枠の売れ残りを抑止する役割も担ってきた。
スポンサー料の決定をうまく行うためのツールとして、番組の視聴率が重視されたのである。日本で視聴率測定を独占するようになったビデオリサーチは、電通を筆頭とする広告代理店やキー局、ならびに系列ローカル局を含む地方局などが株主だ。会社創立当初は、事務所も電通のビル内に構えていた。視聴率が番組の人気を決め、それがCM枠のスポンサー料を左右した。視聴率をテコとする業界内での競争が、各局の盛衰のダイナミズムを生み出す力として機能してきた。
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