市民アスリート集団が開発する健康サービスの“ホンキ度”:ユーザー心理をわしづかみ(5/6 ページ)
ヘルスケアサービスなどを提供する、ネオスという東証1部上場の会社がある。同社のサービスは利用者の気持ちを心底分かっていると人気だ。なぜなら開発メンバーの社員たち自身が市民アスリートとして同じような悩みや課題を経験しているからだ。
すべてのユーザーの目標を達成したい
ダイエットや健康管理は、継続することが難しい。そうした中、ネオスの各種ヘルスケアサービスでは、ダイエットや健康管理に取り組む人たちが、継続できるよう工夫しているのは、これまで紹介した例からも明らかだろう。
こうした継続へのこだわりと、それを支援するための仕組み作りには、市民アスリートとしての自らの体験が生きている。フルマラソンやウルトラマラソン、あるいはトライアスロンに参加しているヘルスケアサービス部のメンバーは、沿道からの声援が、踏ん張りにつながることを、身を持って体験している。だからこそ、応援するため仕掛けを随所に用意している。
東京マラソンでの4回の完走をはじめ、防府読売マラソン、五島長崎国際トライアスロンなどでの完走経験がある秋元マネジャーは、「沿道からの声援が完走に向けた励みになるのは明らか」と前置きしながら、「2017年の東京マラソンのコース変更は、最後の踏ん張りのところでも声援をもらえるようになり、それが力になる」と笑う。
古田シニアマネジャーは、「ウルトラマラソンでは、ゼッケンの情報を基に、『東京から参加の古田さん、がんばってください』と自分の名前を呼びながら声援をしてくれる。これには大きな力をもらえる」と語る。
カニのかぶり物がトレードマークの星野部長も、「カニのかぶり物をしていると、ほかのランナーよりも、多くの声援をもらえる」と、ハンデではなく、むしろプラス効果に働くと捉えている。周りのサポートが、継続や踏ん張りには大切なことを自らが経験しているというわけだ。
さらにこんな話もそれぞれの口から出る。
秋元マネジャーは、「07年にジョギングを始めたときには、1キロも走れなかった。だが、少しずつ走れるようになり、08年2月の東京マラソンでは完走できた。この間、体重が10キログラム落ち、身体が思い通りに動くようになったことが心地良かった。それが今の継続につながっている」と話せば、古田シニアマネジャーは、「走ろうと決意し、ジョギングシューズを買うまでに半年。さらに、買ってから走り出すまでに3カ月。それから、ようやく走り始めた。走り出すまでには踏み出せない期間が長かった。また、走り出して3カ月はそれほど変化が体感できない。その期間は苦しいが、そこから先は自分の身体が変わりはじめた。どこまで、どう頑張ればいいのか。それを、自らの体験を基に多くの人に伝えたい」と意気込む。
「KaradaManagerのすべの利用者が、自らの目標を達成できるようにしたい。それが我々の目標になる」と星野部長も強調する。
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