コラム
悪質手口から有休を守れ! あなたにもできる「ブラック企業との戦い方」:働き方改革関連法施行後の「自己防衛術」(4/5 ページ)
働き方改革関連法で注目されるのが年5日の「有給休暇の取得義務」――。取得させないように動く経営者からいかにして自分を守るのか?
祝日を有休に振り替えるのは最悪
4の「祝日を有休に振り替えて有休を増やし、その範囲内で年5日を取得させる」はとんでもない悪質な手口である。まず国民の祝日全てを有休に振り替える。祝日の日数は16日だが、20日の有給休暇を足すと年間36日。この中から義務化された年5日を取得させるのだ。でも残りは31日。有休が自由に取得できる会社であれば問題はないが、わざわざこんな手の込んだことをする会社だからとても有休取得を奨励している会社ではないだろう。5日取得させたらそれで終わり。残りの31日は使わせない可能性が大だ。
5の「一応、社員の要望を聞いて有休日を決めるが、忙しいという理由で取らせない」は、従業員の無知につけこんだ手口だ。有休取得義務化ではまず社員の希望する日を聞いて会社が取得日を指定することになっている。また、法律では時季、日数などを明記した「有休管理簿」を作成し、保管する義務がある。つまり、記録上は取得したことになっているが、当日直前に「急に仕事が入ったので出勤をしてくれないか」と言って出勤させて取得させないことも考えられる。
労基署の調査が入っても記録を見せればいいと考える「事実の隠蔽工作」だ。だが、これは許されない。もし隠蔽が発覚し、取得日が5日未満であれば法律違反となる。厚労省のパンフレットにも「使用者が5日分の年次有給休暇の時季指定をしていただけでは足りず、実際に基準日から1年以内に年次有休休暇を5日取得していなければ、法違反として取り扱うことになります」と明記している。
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